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看板出さない茶道具屋 船場は復活するか(2)
軌跡

2014/10/1 6:30
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地下鉄御堂筋線の淀屋橋駅からほど近い伏見町(大阪市中央区)に、オフィスなのか店なのか判然としない建物がある。表札がかかっているから住居と見えなくもないが、裏手には白壁の蔵を備える。

松江藩主の松平不昧から贈られた直筆の掛け軸は家宝

松江藩主の松平不昧から贈られた直筆の掛け軸は家宝

そこは江戸時代から200年以上にわたり茶道具や美術品を商う谷町屋戸田商店だ。大名や豪商、明治の実業家を上得意としてきた。12代当主の戸田博さんは「茶道は長らく政財界の常識だった。茶道のたしなみがなければ仲間になれなかった」と話す。

「茶道具は美術品でありながら、お茶会で使う。何百万円何千万円しても使ってもてなす」。松江藩主だった松平不昧は参勤交代の折、わざわざ遠回りして大阪の戸田商店に寄るほどのひいきだった。応接室には不昧から贈られた直筆の掛け軸が今も飾られている。明治以降は藤田財閥を興した藤田伝三郎にかわいがられ、藤田美術館に残る品も戸田商店が扱った。

同じく太田佐七商店の代表社員、太田真一さんは「(阪急電鉄の)小林一三さんはよく店に来た」と話す。「信用商売で借金をせず、一般大衆を相手にしないので宣伝・広告もしない」。看板すら出さず、知らない人は店だと気づかない。はじめての客とは茶室で雑談し観察。冷やかしでないことがわかるとようやく奥座敷に通し、蔵から品を持ってこさせて商談に移る。

こうした茶道具屋はもはや船場に4軒しかないそうだが、残していくべき文化といえるだろう。

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