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繊維・文化…発信街ぐるみ 船場は復活するか(1)
軌跡

2014/9/30 6:30
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かつて日本の商業の中心地として栄え、富が集積した大阪・船場。道修町や北浜を含むこのエリアから銀行や製薬会社、総合商社の本社が流出して久しい。最近は同じ大阪でもキタとミナミのはざまで埋没気味だが、高層マンションが相次ぎ建設され都心回帰の象徴に。20年前に3700人まで減った人口は1万人前後に回復した。地味ながら魅力あふれる船場のブランド力を高めようと、地域の人たちが手を携え知恵をしぼる。

坐摩神社の屋外ステージではオペラ歌手が競演する(大阪市中央区)

坐摩神社の屋外ステージではオペラ歌手が競演する(大阪市中央区)

歴史・文化の研究からまちづくり、ビジネスまで――。多様な活動団体を抱える船場げんきの会は9月4日、設立10周年を迎えた。副代表世話人の日比哲夫さんは「当初の8グループが今は28まで増えた。各グループが柔らかな連携をするためのプラットフォームで、メンバーはみなボランティア」と語る。バラバラに活動していたグループが相互に交流することで、船場の活性化につなげるのが狙いだ。

10月3~5日には「船場まつり」を開く。岩手・大船渡市の復興支援を兼ねてサンマ2000匹を用意。奉公人のまかない料理だったサバでだしを取る船場汁が振る舞われる。坐摩(いかすり)神社境内の野外ステージではオペラ歌手らによる「せんば鎮守の杜(もり)芸術祭」が、北御堂・南御堂などではジャンルを超えた「船場アートフェスティバル」がそれぞれ開かれる。商店街では「誓文払い」と呼ぶセールも。これは卸専門店が年に1度小売りをする江戸時代から続く風習だ。

船場まつり推進協議会の池永純造会長は「祭りをやるようになって4つの商店街と4つの神社、南御堂、北御堂が一つにまとまった」と話す。今年は初めてサウジアラビア大使館も出展する。実はアラブ人がまとっている白装束の生地の多くは日本製で「船場から出ている」(池永さん)。3日には同国大使も出席してセレモニーが開かれる。

「御堂筋kappoで大名行列を」と提案する阪南大学の山内孝幸教授は、船場まつりにはゼミ単位で協力する。「日本茶でおもてなし」という交流イベントがそれ。「素人でも簡単に抹茶がたてられる方法」を指南し、来場者にお茶をたてて飲んでもらう。

船場げんきの会代表世話人でもある大阪府立大学の橋爪紳也教授は、11月1~2日に大阪市が開く「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」の仕掛け人。昭和初期の名建築「芝川ビル」など50~60のビル内部を公開し、楽しんでもらう考えだ。

小売りの中心は大型ショッピングセンターやアウトレットに移り、船場の零細卸は苦境に立たされている。地方の商店街消滅は衰退に直結するからだ。船場復活への道のりは険しいが、橋爪さんは「船場はストリートに文化がある。エリアごとに個性をつくればいい」と話す。歴史をひもとけば、秘めたポテンシャルの大きさが見えてくる。

編集委員 磯道真が担当します。

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