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漁獲減、水質浄化が影響? 「魚の庭」大阪湾(2)

軌跡

「大阪湾など瀬戸内海の漁獲量は1990年代後半から急減している。下水高度処理などで魚の栄養となる窒素が減りすぎたのではないか」。兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター(明石市)の反田実・技術参与は、富栄養化とは逆の「貧栄養化」に着目する。窒素やリンなどの栄養塩を直接摂取して育つノリへの影響は特に顕著で、全国2位の生産量を誇る同県のノリ養殖は「色落ち」に悩んでいる。

魚の漁獲量と栄養塩の因果関係はノリほど明らかではないが、減少率のグラフは同じ軌跡を描く。「状況を見極めながら対策を急ぐべきだ」と反田参与。同県の一部の下水処理場は冬場に排水基準を超えない範囲で下水処理する方式を試験的に取り入れた。

「水清ければ魚棲(す)まず」。貧栄養化に危機感を強める漁業者の声を反映し、議員立法で瀬戸内海環境保全特別措置法の改正案提出に動いている。従来は富栄養化や汚濁防止が中心だったのが「豊かな海」への取り組みを基本理念に加える。瀬戸内海で一律だった環境対策を、湾や灘(なだ)ごとに協議会をつくって検討していくことになる。

だが大阪湾奥は今も富栄養化状態で、住民にはきれいになったとは見えない。栄養塩が偏在しているのだ。「魚も食べたいが、海水浴もしたい。では、われわれは大阪湾、瀬戸内海をどんな海にしたいのか。みんなで考える必要がある」と反田参与は語る。

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