2019年5月23日(木)

パナソニック、本社直轄組織で試される本気度

2017/4/19 14:05
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パナソニックは19日、あらゆるものがネットにつながる「IoT」や、人工知能(AI)の推進を柱とする研究開発戦略を発表した。本社直轄のビジネスイノベーション本部を1日付で設置。本部長に就いた宮部義幸専務が記者会見し、本部で創出する新規事業について「数百億円規模のビジネスになるものをテーマにしたい」と強調。ただ、この分野では米国勢が先行しており、同本部での取り組み方で、パナソニックの本気度が試されることになりそうだ。

「同業のエレクトロニクスの競争は終わっている。IT(情報技術)系の異業種と思っているところと協業する考え方も出てくると思う」。宮部氏はこう指摘。記者会見には1日付でSAP日本法人バイスプレジデントから同本部の副本部長として招いた馬場渉氏も同席。パナソニックの米国法人副社長も兼任し、シリコンバレーを拠点にする馬場氏は「シリコンバレーの視点を持って、『デザインシンキング』などの考え方をパナソニック全社に適用すれば貢献できる」と抱負を語った。

「AI家電」などとして普及が進むAIの研究開発では依然としてグーグルなど米国勢が先行。既に米アマゾン・ドット・コムはAIを組み込んだスピーカー「エコー」を販売し、米国でヒット。国内でも、シャープは音声認識がメインのロボット携帯電話や、レシピを案内する調理家電などの販売に力を入れる。パナソニックもロボット掃除機などにAIを搭載しているが、まだ本格的とはいえない状況だ。

この分野での成長に向け、パナソニックの強みは、家電や住宅、車載機器など、事業領域が幅広い点だ。イノベーション本部には社員として兼業が可能な大学教員として、AIの計算技術を研究してきた立命館大学の谷口忠大教授も招いた。AIの活用ではまだ注目度は高くないが、1980年代から言語処理などの分野でAI研究を手掛けてきた歴史もある。車載や住宅に注力することで高成長への道筋を模索中のパナソニックにとって、この分野での果実が起爆剤になる可能性もある。人材を含めた社内外のリソースをどう活用し、幅広い商材をいかに組み合わせていくか。横断組織の強みを発揮できるかが、今後の革新へのカギとなりそうだ。

(飯山順、出村政彬)

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