リアル感 目からウロコ REAL-fのお面(ここに技あり)
大津市

2017/2/22 6:00
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「人間をコピーできないか」。大手印刷関連機器メーカーでコピー機の開発に従事していた時、アイデアが浮かんだ。さらにその思いは発展する。「立体の方が面白い。2次元の写真を3次元にしたい」

高精巧な写真と3Dスキャンデータを基に作るマスクは、一面30万円(右端は北川社長)

高精巧な写真と3Dスキャンデータを基に作るマスクは、一面30万円(右端は北川社長)

■手作業で修正

2011年6月。北川修社長(58)は超精巧な立体お面の製造・販売を手がけるREAL-f(大津市)を設立した。お面は人の顔の高精巧な写真と3D(3次元)スキャンデータを基に、独自の立体写真造形技術を使い、プラスチック樹脂に転写して作り上げる。

完成まで約2週間。ホクロの位置や目の形、肌のしわの入り具合など実際の写真と見比べ、手作業で細かく修正していくのが技だ。特に目には苦労したという。「転写するだけではどうしてもリアルさに欠けていた」(北川社長)

ある休みの日、何気なくろう人形を見たとき、衝撃が走った。ろう人形の義眼に吸い込まれた。「目だけ別に作って組み込む」(同)ことに気づいたという。

完成したお面は肌の色合いからしわや毛穴はもちろん、目の毛細血管、虹彩に至るまで正確に再現されている。まるで本物の顔と見間違うほどだ。

価格は一面30万円。イベント企画会社からの引き合いを通じて認知度を広げていった。やがてそのリアルさは世界にも広がり、中東の王族からレリーフの製作依頼を受けた。またペット愛好家からの依頼を受け、犬や猫の立体写真の製作(5万円)も手がける。

■検知試験に活用

最近では「自動車や防犯会社から注文も入るようになった」(北川社長)という。衝突回避システムや防犯関連のテストで使用されるという。用途は確実に広がっている。ただ「まだまだ100%ではない」と北川社長は満足しない。

現在のお面の材料はプラスチック樹脂。どうしても硬い。それをシリコンなどの柔軟な素材に置き換えられないか。北川社長は「現状ではなかなか難しいが諦めない」という。その技術が確立すれば、まばたきや口を動かせることができ、医療分野への応用など、より実用的になる。

お面はどこまで本物に近づけられるか。100%を目指す奮闘が続く。

文 大津支局長 橋立敬生

写真 浦田晃之介

〈カメラマンひとこと〉 今にも話し出しそうなお面がずらりと並ぶ。きらりと光る瞳は、目が合うとドキリとするほどだ。樹脂製とは思えないマスクのリアルさを表すには、本物の人間と比べてみるのが最も分かりやすい。北川社長に自身がモデルのお面と共演してもらった。
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