シャープ戴社長「社員若返り進めたい」 人材獲得方針発表

2017/3/13 19:03
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シャープの戴正呉社長は13日、堺市内の本社で記者会見を開き、人事制度や採用など人材獲得のための方針を発表した。業績への貢献度に応じて賞与に幅を持たせ、2018年4月入社の採用者人数を17年春に比べ2倍に増やす方針も示した。戴社長は「社員の若返りを図りたい」と述べた。主なやりとりは以下の通り。

――幹部や中堅クラスで退社する社員が後を絶ちません。人材流出に歯止めをかけるためどんな施策を考えていますか。

「シャープの社員の平均年齢を引き下げたい。辞めていく社員のほとんどがベテランだ。私と一緒にやっていきたい人に残ってほしい。去りたいというのなら私はかまわない。人材流出は全く心配していない。新生シャープでは新しい制度づくりをして若返りを図りたい。能力があり、責任感があり、貢献できるのならシャープに入ってください」

「幹部がどんどん辞めていると報道されているが、会社を辞めるときに書いてもらう誓約書には社員の引き抜きを禁じている。私は個人のキャリアを尊敬しているので追及しないが、これは道徳の問題だ」

――採用などを増やすと人件費はどの程度上昇しますか。

「人件費の問題ではなく、競争力の問題だ。この7カ月の構造改革では600億円以上のコストダウンができた。内訳は投資の見直しで300億円、経費の見直しで371億円削減できた。和解金や事業譲渡などの一過性の収益で183億円を計上した。こうしたコスト削減で得たお金を報奨にあてられる。経営の結果を社員にフィードバックする」

――人事政策の狙いを教えてください。

「(16年夏に親会社になった)鴻海(ホンハイ)精密工業では信賞必罰が徹底されている。メリハリをつけなくては社員は頑張らない。社員の能力と責任と貢献の3つを高めたい」

――シャープはなぜこれまで経営不振が続いたと考えていますか。昨夏に鴻海の傘下に入り何を変えてきたのですか。

(野村勝明副社長)「(取引先との)不平等な契約を見直せた。赤字を出していた頃は、代金が回収できないような体質があった。半年で契約を見直してコストダウンし、収益改善ができた」

(戴正呉社長)「シャープの資金が足りず、取引先が心配して高い値段で購入させられていた。シャープ自体もバラバラで共同購買といったこともできておらず、外部の情報も確認していなかった」

――株価の上昇が続いているが、どう考えていますか。

「スタッフから報告は受けているが、株価には関心が無い。株価は複雑で経営とは違う。経営はしっかりコストダウンをしていけば結果が出る1円1円の勝負だ。株価は違う」

――海外拠点の再編についてはどう考えていますか。

「海外拠点を本社が統括できていなかった。工場に加えて営業所なども見直していきたい。複数の拠点を経由して国内の担当部署に報告があがるのは合理的ではない」

――米国で鴻海と共同で検討している液晶パネル工場の新設計画の進捗はいかがですか。

「企業なので競争力があればやる。どこの国かは関係ない。日本でもアメリカでも中国でもインドでもインドネシアでもできる。状況による」

――液晶パネルを製造している国内の主力工場、亀山工場の人員削減や縮小は考えていますか。

「全く考えていない。逆に人材を増やそうとしている。500人程度を採用したい。すでに250人を募集することを決めた。亀山工場は17年度に黒字に転換させたい」

――16年8月に社長に就任してから、社員の雰囲気は変わりましたか。

「取引先や銀行などから『シャープは元気になった』とは言われる。社員の問題ではなく経営の問題だ。優秀な技術者は多くいる。モチベーションを高め、決断スピードを速めれば業績回復は問題ない」

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