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不二製油、「機能性」食材に舵 DHA配合の油開発

不二製油は14日、記憶力を高める効果があるとされるドコサヘキサエン酸(DHA)などが入った業務用油を開発したと正式発表した。チョコレートやドレッシングなどの食品に使えば手軽にDHAを摂取できる。受験生のための食事などで注目を集めたDHA。認知症患者が予備軍を含め800万人超ともいわれる中、「認知能力を高める」機能性の食品素材として注目を集めそうだ。

DHAは魚などの油に含まれ、定期的に摂取する必要がある必須脂肪酸の一つ。時間がたつと特有の臭みが出るため食材に混ぜにくく、従来は魚やサプリメントなどからしか取れなかった。日本人も魚を摂取する量が減っており、DHAなどの平均摂取量は推奨量の半分である450ミリグラム程度になっている。

14日の発表会には食品会社を中心に50社から150人が訪れた。展示されたロールパンや豆腐ハンバーグ、ドレッシングといった食品にはそれぞれ100~200ミリグラム程度のDHAが含まれる。不二製油グループ本社の清水洋史社長は「高齢化が進む先進諸国などでも需要が高まる分野」と市場開拓に意欲を示した。

不二製油は難溶性の物質を油の中に細かく分散する技術を応用して、ビタミンCなどの成分でDHAの酸化を抑えた。千葉工場(千葉市)を製造拠点に食品会社などに向けてサンプル供与を始め、17年1月にも本格的に販売する。

健康志向の高まりを受けて加工食品や菓子などでの採用を見込む。需要が見込まれるのは機能性表示食品だ。2015年4月に始まった同制度は、特定保健用食品と違い国の安全審査が不要なため開発コストが低く済む。サプリを除く加工食品だけで消費者庁に約160件の届けが出ている。

素材メーカーの開発競争も過熱している。不二製油はDHAなど健康効果の高いとされる多価不飽和脂肪酸の開発を次世代の中核事業に掲げる。今回の発表に合わせて「おいしさと健康」担当役員を設置。今後、メーカーとの食品共同開発などを進めながら認知度の向上を狙う。現時点で既にメーカー側の反応は良く、同社の油を使った食品は「チルド商品などの分野から17年春には店頭に並ぶ」(開発部門長の木田晴康氏)見込みだという。

不二製油の主力は油脂、製菓・製パン素材の製造。チョコレート用油脂では世界シェア3割を占める。海外ではブラジルやマレーシアでチョコレート大手を買収するなど事業拡大を加速している。17年3月期の売上高は3100億円と前期比8%増を見込む。清水社長は「今回の新技術を新規事業の中核とする」考えで、事業拡大に弾みを付ける。

(江口良輔)

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