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社内売買と指標共有 刺激 進化するアメーバ経営(3)

軌跡

アメーバを独立採算で運営させるには損益を計算できる仕組みが必要だ。そこで京セラの稲盛和夫名誉会長は「社内売買」の仕組みを考え出した。

例えばセラミック製品の生産工程で、原料工程から成形工程へと原料が流れていく場合、原料部門が売り、成形部門が買ったと見なす。すると原料部門は社内向けの売り上げから経費を引くことで利益を計算できるようになる。

社内売買制度により、製造部門が「自分たちも利益を生んでいる」との意識をもつようになる。社外からの受注価格が下がると社内の売買価格も下がるので、利益を維持しようと自主的にコスト削減に取り組む。

社内売買の価格はアメーバリーダー同士の交渉で変わる。前工程は高く売りたいが、後工程は安く買いたい。時には決裂して社外との売買に切り替わることもあり、市場に連動した採算感覚が求められている。

時間当たり付加価値などの経営指標を社員が共有するのも大きな特徴だ。「業務が同じで担当地域が異なるアメーバの間などで数値の競争が起き、成功事例が共有される」。京セラの黒瀬善仁執行役員は話す。

アメーバは少人数なので誰が付加価値向上に貢献したのかも分かるという。稲盛氏に学ぼうと経営者が集う盛和塾の諸橋賢二事務局長は「一人ひとりのタイムを計る駅伝のようなもの」と例える。京セラが掲げる「全員参加経営」を実現するための仕掛けといえる。

アメーバ経営は社内売買などで「手間がかかる」(山口悟郎京セラ社長)。経営指標を社員にフィードバックするため「数字が取引先などに漏れる恐れが強まる」(アメーバ経営を導入した中小企業の社長)。労力やリスクを覚悟したうえで、それ以上の効果を目指す姿勢が必要になる。

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