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もっと関西 大阪 うどん文化なのに… 斬新そば 心打つ(とことんサーチ)
たこ焼き載せ写真映え トリュフ+金粉 高級感

2017/6/24 6:00
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飲食店巡りが大好きな東北出身の記者。大阪府出身の飲み友達から「大阪では最近そばがアツいで!」と力説された。「大阪はうどん文化のはずでは?」。聞き返すと、最近は続々と斬新なそばのメニューや店が誕生しており「話のネタに尽きない」という。大阪人の新潮流となってきたそば。早速話題の店を訪ねた。

人気急騰で通年販売となった「浪花そば」のたこやきそば

「わたなべ」のトリュフ蕎麦

ジャズも楽しめる「コボジャン」(大阪市)

まず向かったのはJR新大阪駅構内の「浪花そば」。かけそばの上にたこ焼きが載った「たこやきそば」(500円)が目当てだ。運営する虎重山本食品興業(兵庫県西宮市)は曜日限定などで提供してきたが、インターネットニュースなどで取り上げられて人気が急騰。4月から通年販売に切り替えた。1日約20食出る人気ぶりで、注文数は定番のえび天ぷらそば(550円)などと肩を並べる。

注文は若い世代や旅行客が約8割。「大阪っぽい1枚」を撮って、写真共有アプリ「インスタグラム」などで体験を共有したい人が多いのだろう。会社員の佐藤ゆかりさんは「『食べログ』を見て来た。今度東京から友達が来るので絶対連れてきたい」と興奮気味に語った。

飲食店情報サイト「食べログ」で大阪府内の店数を調べると「そば」約1360件、「うどん」約2210件とそば店が劣勢。ただ、食べログを運営するカカクコム広報の安部紗乙莉さんによると「大阪 そば」とキーワード入力して検索する人はここ数年増えており、4月の検索件数は前年同期比6.0%増。一方「大阪 うどん」の件数は減少傾向で1.4%減った。

検索件数の絶対値はうどんがなお多いが、うどんが大阪に築いた牙城をそばが少しずつ「食って」いるのかもしれない。安部さんは「そば粉の美肌効果を女性誌などで取り上げる機会が増えたのも人気の理由の一つかも」と教えてくれた。

北新地では最近「トリュフそばがアツい」らしい。向かったのは昨年11月に開業した「トリュフ蕎麦 わたなべ」。そばの上にトリュフと金粉を載せた「トリュフ蕎麦」(4100円)が看板メニューだ。トリュフと温かいだしに溶かしたバターの香りが口の中に広がる。大橋徳之店長によると北新地一帯で食事の最後にトリュフそばを出す飲食店が近年増えた。「専門店にしたら人気が出る」と一念発起した。

店内はシャンパンと一緒に食べるなど雰囲気もおしゃれで予約が取れない日もある。関西は1世帯当たりの株式保有額が高い。近年の株高傾向で資産効果が出たためか「懐に余裕がありそうな20~40代がデートで使うケースが多い」と語る。

音楽好きの友人からは「中津にオシャレなそば店ができた」と次の情報を得た。大阪市営地下鉄中津駅に近い場所に3月に開業した「コボジャン」。外観は西欧の雑貨店のようだ。店内では大橋誠店長お気に入りのジャズが流れる。大橋店長は大のそば好き。大阪にそば店が少ないところに商機をみたが、「昔ながらの老舗の雰囲気は好きじゃなかった。店作りは徹底的に自分と妻の好きなフランスの装いにしてみた」と笑う。

なぜいま大阪のそばが進化しているのか。関西の食に関する情報誌「あまから手帖(てちょう)」の中本由美子編集長は「関西では1990年代に最初のそばブームが起こり多く店が生まれ、定着した。今そこで修業した30代など若い層の独立が増え、新しいトレンドを作っている」とみる。

斬新な商品や店構えでそばブームの進行形にある大阪のそば。そういえば東京の三大そば店の一つ「砂場」は大坂城築城時期にルーツがあるほか、鴨なんばも大阪発祥だとか。斬新なアイデアを持つそば店が交流サイト(SNS)などで話題になれば、大阪を飛び出して全国を席巻する新たな歴史を作るかもしれない。満腹の状態でそう思った。

(大阪経済部 出口広元)

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