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もっと関西 4府県転々 父に青臭い正論 南海電気鉄道会長 山中諄さん(私のかんさい)
訪日客消費 次の仕掛けを

2017/4/13 6:00
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 ■南海電気鉄道会長の山中諄さん(74)は三重県西北端に位置する島ケ原村(現伊賀市)の出身。西は京都府、北は滋賀県、南は奈良県に接する小さな村で中学3年の1学期まで過ごした。その後は旧国鉄職員だった父親の転勤などで京都、奈良、大阪を転々とした。

 やまなか・まこと 1943年三重県島ケ原村(現伊賀市)生まれ。立命館大経卒。65年南海電気鉄道入社、2001年社長、07年会長。09年に南海電鉄から初めて関西経済同友会代表幹事に就いた。12年から西日本高速道路会長。

やまなか・まこと 1943年三重県島ケ原村(現伊賀市)生まれ。立命館大経卒。65年南海電気鉄道入社、2001年社長、07年会長。09年に南海電鉄から初めて関西経済同友会代表幹事に就いた。12年から西日本高速道路会長。

人生を三重、京都、奈良、大阪の4府県で過ごしてきた。それぞれに良い町だったが、あまりにも頻繁に住所を変えたために自分の言葉がいったいどの地域のものかよく分からない。

母たちを自宅に残して転勤した父と2人で暮らした時期がある。近所の大衆食堂で食事をし、時には出前を頼んだ。仕事のためとはいえ、家族がばらばらなのは納得がいかない。父と奈良公園を散歩していた時に「みんなで一緒に住みたい」と言ったのを覚えている。宮仕えの現実を知らぬ青臭い正論だった。

 ■京都府立桃山高校から立命館大学へ進んだ。大学ではクラブ活動に力を入れた。

大学1、2年生はヨット部の選手だった。練習場所は琵琶湖で、月の半分は合宿所生活。語学の出席日数が不足し危機に陥った。断腸の思いで自転車競技部に移り、主務になった。部の予算獲得や部員勧誘、様々な調整業務をやった。関西には自転車競技部が少なく、同志社大学、京都大学の同好会と一緒になって「関西学連」を編成した。学生の街・京都らしい団結。インカレに参加し、関東の大学に対抗した。

就職先は鉄道会社と決めていたが、旧国鉄は念頭になく、沿線に高野山など魅力的な観光資源を持つ南海電気鉄道を選んだ。高野山は2009年にミシュラン・グリーンガイド・ジャパンで3つ星を獲得した。わが意を得たり、である。

新人研修時代の山中さん。最初はバス部門に配属された(左から3人目)

新人研修時代の山中さん。最初はバス部門に配属された(左から3人目)

新人研修を終え、バスを待っていると、バス停近くの居酒屋が目に入った。「一杯やるか」とのれんをくぐった同期4~5人が全員バス部門に配属された。1997年に常務となりバス営業本部長に就いた。バス部門は数十億円もの赤字続き。立て直すには別会社化が避けられず、バス部門の人員を転籍させた。自分も南海電鉄をやめ、バス会社の社長になる覚悟だった。

01年5月、堺市内のバス部門事務所で新体制の打ち合わせをしていると吉田二郎社長(当時)から「本社に来てくれ」と電話が入った。「いま会議中なんですが、急ぎますか」と言うと、「とにかく来い」の一点張り。本社に顔を出すと「ごくろうさんやけど、次の社長をやってくれ」と告げられた。バブル崩壊後の厳しい時期。バス部門どころか全社規模のリストラに明け暮れた。

 ■関西国際空港へのアクセス鉄道である南海の空港線はここ数年のインバウンド景気で好調が続く。

関空が開港した94年は運輸部長。以来ずっと関空に関わってきた。現在の活況は一朝一夕に実現したのではない。海外各地でプロモーションをやり、着陸料割引やビザの発行条件緩和を各方面に働きかけた結果だ。ただ関空リムジンバスは慢性的に運転手が足りない。いずれ自動運転バスも実現するだろうが、その開発スピードは労働力不足の進行に追いつけずにいる。

一時期の爆買いは一段落した。最近の外国人観光客は明確な目的を持って来日し、スマートフォンを片手に動き回る。関西は文化財がたくさんあり、地の利に恵まれているが、それだけでは不十分だ。残念ながら現状では満足な国際会議が開催できず、大型の劇場もない。何らかの仕掛けが要る。カジノを中心とする統合型リゾート(IR)や25年開催を狙う国際博覧会(万博)の誘致は、関西の持続的発展にとって必要不可欠な要素だ。

(聞き手は編集委員 竹田忍)

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