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関西発

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神戸ビーフ 世界駆ける(関西の羅針盤)
第4章 遊の潜在力(5)

2014/9/13 15:00
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神戸ビーフにこんな「神話」がある。米国の船会社が運航する世界唯一の分譲マンション型豪華客船「ザ・ワールド」。同じ港にはしばらく寄らないといわれるが、2006年の神戸寄港の際に神戸ビーフに魅了され09年に異例の再寄港をした。世界を巡る舌の肥えた住民をうならせたのだ。

特に品質の高い但馬牛につけられる「神戸ビーフ」の称号は国際的な知名度を持つ。但馬牛は兵庫県が種牛全頭を管理する純血統種。肉質や枝肉重量などの基準を満たせば、唯一の認定機関「神戸肉流通推進協議会」の認定が受けられる。

EUにも出荷

同協議会の寺尾大輔氏は「血統や交配を全て管理する神戸ビーフはブランド価値をアピールしやすい」と語る。交配・育成技術の向上で13年7月までの1年間の認定量は約4000トン。3年前より1100トン増えた。一段と伸ばすには海外市場開拓が欠かせない。

政府は牛肉輸出額を20年までに12年の約5倍の250億円に拡大させる戦略を立てるが、12年に輸出を始めた神戸ビーフは後発だ。岐阜県の飛騨牛は08年に輸出を始め、6月にはイスラム教の戒律に沿った「ハラル認証」研究チームを県庁に発足させてイスラム諸国への輸出をにらむ。

神戸ビーフの輸出先は5カ国・地域に広がり、7月には欧州連合(EU)への出荷も始まった。抜群の知名度と厳密な管理体制におごることなく、需要拡大へ地道な取り組みが進む。

3780円バーガー

神戸市中央区の「ワントバーガー」。神戸ビーフを挟んだハンバーガーは1個3780円だが「風味は外国の牛と段違い。月40~50個売れる」。そう語る川村剛志店長は老舗ステーキ店の創業者の息子。米国留学経験を生かして外国人客にも親しんでもらおうと淡路産タマネギなど地場食材を使うバーガーを考案した。

関西の食材や食文化を外国人観光客や海外に売り込む余地は大きい。がんこフードサービス(大阪市)は京都三条本店(京都市)で8月、ハラル認証を受けた関西産の野菜、肉、魚を使う天ぷら、しゃぶしゃぶなどの「ムスリムフレンドリーメニュー」を始めた。「京料理など食文化を知ってもらいたい」(同社)

海外でも現地に合わせたメニューを作れば消費量は伸びる。伝統と実績がある関西の「食」は、日本食を「神話」から「実話」へ、身近な存在にする力を秘めている。(岩沢明信)

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