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大阪地下鉄、民営化決まる 遊休地使い事業多角化へ

2017/3/29 1:35
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1日平均243万人が利用する大阪市営地下鉄が来春、民営化される。市議会は28日午後、市営地下鉄・バス事業の廃止議案を可決し、全国初となる公営地下鉄の民営化が決まった。御堂筋線などドル箱路線を持つ新会社は営業収益で関西の大手5社を上回る。新たな地下街を整備したり、遊休地を活用してホテルや飲食店を運営したり、サービス向上を目指す。

地方自治法は、地下鉄のような重要な公営事業の廃止には議会の3分の2以上の賛成が必要と規定。大阪市議会(定数86)では維新(36人)、公明(19人)に加え、慎重だった自民(20人)も賛成に転じた。

市営地下鉄は御堂筋線、堺筋線など9路線あり営業区間は計138キロ。2015年度は1日平均243万人が利用し、営業収益は1561億円だった。近畿日本鉄道や阪急電鉄、阪神電鉄など関西私鉄5社を上回り、JRを除けば全国で東京地下鉄(東京メトロ)、東武鉄道に次ぐ規模になる。

地下鉄運営を担う新会社は当初、市が株式を100%保有するが、公営事業に対する規制がなくなるため、経営の自由度は高まる。

このため、職員住宅跡地など遊休地を活用した不動産開発、ホテルや飲食店、保育施設の運営など事業の多角化を進める。地下通路を魅力ある地下街に再整備するための投資も検討、職員の意識改革による顧客サービス向上も図る。施設の耐震化など安全への投資は民営化後5年間で約1080億円を見込んでいる。

市への納税や配当は年間約100億円を見込む。吉村洋文市長は「任期中は株式を売却しない」としているが、市作成の事業計画では「将来は株式上場が可能な企業を目指す」とあり、企業価値を高めて株式売却や上場の可能性を探る。

新会社に転籍する交通局職員は5千人程度の見込み。焦点は新会社のトップ人事。吉村氏は「市が株を持つ以上、(人事に)関与するのは当然だ」と述べており、民間起用を検討するとみられる。

民営化の移行準備には最低でも8カ月程度かかる見通し。市は4月をメドに準備会社を発足させ、新会社の定款づくりや鉄道事業の免許を新会社に移す手続きを進める。施設やシステムの改修作業も急ぐ。

また、市営バス事業は地下鉄新会社の子会社となる「大阪シティバス」(現在は市の外郭団体)に事業譲渡する。大阪大の土井勉特任教授(総合交通政策)は「民営化しても市民の足として重要な役割は変わらない。不採算路線を切り捨てるような経営は許されない」と指摘。「私鉄各社と連携し、大阪全体の交通サービスを向上させるための議論をしていくべきだ」と述べている。

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