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東洋ゴム免震偽装、性能不足の認識度焦点 本格解明へ

東洋ゴム工業による免震ゴム性能の偽装問題で、大阪地検特捜部が27日までに、同社子会社についての告発状を受理、不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑での捜査が本格化する。今後の解明作業の焦点は、性能不足を認識しながら出荷したという「故意」の立証。告発状には記載されていない関与者の特定も不可欠だ。特捜部は関係者から幅広く事情を聴き、こうした疑問点の解消を急ぐ。

■意図した虚偽表示か

特捜部が26日に受理した告発状によると、東洋ゴム子会社の東洋ゴム化工品は2014年9月、枚方寝屋川消防組合(大阪府枚方市)の新庁舎に免震ゴム19基を納入する際、国の認定基準を満たすとする虚偽の性能データを施工会社に交付した、としている。

不正競争防止法は商品の品質や内容、数量などの虚偽表示を禁止。法定刑を5年以下の懲役または500万円以下の罰金と定め、双方を科すこともできる。法人に対して3億円以下の罰金を科す両罰規定もある。

同法違反容疑の適用について、元東京高検検事の高井康行弁護士は「結果的に製品が性能不足だったというだけでは虚偽表示とまでは言えない。国の基準を満たすため、意図的に根拠のないデータを表示したことを立証する必要がある」と指摘。東洋ゴム側は出荷先への補償を進めており「刑事処罰の要否を判断するうえで、動機の解明も欠かせない」とみる。

■個人の容疑者名なく

告発状には、容疑者を法人としての東洋ゴム化工品と記載されているだけで、具体的に関与した個人名は挙がっていない。一方、弁護士らでつくる東洋ゴムの外部調査チームが昨年6月に公表した最終報告書は、出荷時点で性能不足を認識していた可能性が高い人物を、匿名ながら少なくとも3人としている。

特捜部は、この3人を軸に関与者の特定を進めていくもよう。その上で2社の関係者らから任意で事情を聴き、それぞれが出荷までに果たした役割や、性能不足の具体的な認識度合いを分析する見通しだ。

製品出荷を巡っては、14年9月16日に東洋ゴム本社で開かれた会議でいったん取りやめを決めながら、直後の会議で決定を覆し、同18日に納品していたことが既に判明している。

■一転出荷の経緯は?

最終報告書は方針変更の理由について「担当部署が、性能評価の手法を見直せば基準を満たす、と報告したため」とのみ言及。会議には信木明前会長(当時社長、故人)ら東洋ゴム本体の幹部も出席しており、一連の意思決定への幹部らの関わり方も真相究明のポイントになる。

解明すべき点が少なくないなか、東洋ゴムと東洋ゴム化工品のほか消防組合や施工会社など問題に関わった人物は多く、関係資料も膨大に上ることから「捜査には一定の時間を要する」(捜査関係者)との見方もある。

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