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石を積み、人を育てる 遺跡守る技、世界へ伝える(3)

軌跡

カンボジアの世界遺産、アンコール遺跡群で奈良文化財研究所(奈文研、奈良市)が進めている西トップ寺院(9~14世紀)の修復が最初の山場に差し掛かっている。「そろそろ雨期が終わる。そうすれば作業が一気に進む」。杉山洋・企画調整部長は話す。

西トップ寺院で進む修復作業=奈文研提供

同寺院には石で築いた3つの堂舎が南北に並んでいるが、崩れかけて倒壊寸前だった。1つずつ順番に、いったん解体して復元する10年がかりの作業を3年前に開始。今は、最初の南の堂舎が解体の工程を経て最下部を再構築中で、来春までに最上部まで石材を積み直す計画だ。

奈文研は同国の内戦終結から間もない1993年以降、アンコール遺跡群の保存事業を続けている。ポル・ポト政権の粛清の犠牲となり不在となった専門家を育成し、現地の人たちの手で遺跡を守る体制づくりに力を入れてきた。

西トップでも作業班25人のうち日本人は1人。カンボジアの調査員が陣頭に立ち、奈文研から考古学や保存科学の専門家らが出張して支援する態勢だ。かつてチリ・イースター島のモアイ像を修復し、高松塚古墳(奈良県明日香村)の石室を解体したことで知られる石工の左野勝司さんと高松市の重機メーカー、タダノも技と機材を提供した。

アンコール遺跡群の保存事業は現在、日本とフランスのチームが主体。杉山さんは「人材育成の点では、同じアジア人として親しみを持ってもらっている我々の方が一日の長がある」と自負している。

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