2019年4月19日(金)

長谷川等伯作とみられる水墨画発見

2015/4/20付
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安土桃山から江戸初期に活躍した絵師、長谷川等伯が描いたとみられる水墨画の屏風絵2点が見つかり、京都造形芸術大(京都市)が20日発表した。「猿猴(えんこう)図」と「松竹図」で、ともに2曲屏風で縦162.4センチ、横241.2センチ。等伯の代表作と極めて似ており、専門家は等伯作の可能性が高いとみている。

長谷川等伯が描いた屏風「松竹図」(左)と「猿猴図」が報道陣に公開された(20日午後、京都市左京区の京都造形芸術大)=共同

長谷川等伯が描いた屏風「松竹図」(左)と「猿猴図」が報道陣に公開された(20日午後、京都市左京区の京都造形芸術大)=共同

「猿猴図」は右に雌猿、左に雄猿が躍動。毛描きの筆遣いは細やかで力強い。雌猿の背中に小さな手が見え、小猿を抱えていたと想定される。

「松竹図」は墨の濃淡を巧みに変化させながら竹の稈(かん)や葉を描き、流れる霧や光を表現している。

2点は別作品と考えられるという。猿の描き方や墨の濃淡の付け方などは、等伯の代表作である妙心寺龍泉庵(京都市)所蔵の「枯木猿猴図」や、東京国立博物館所蔵の国宝「松林図屏風」などと共通する。

個人宅から見つかり、京都造形大が購入。明治学院大の山下裕二教授が鑑定した。等伯生誕の地である石川県七尾市にある石川県七尾美術館とともに約1年間修復をしてきた。今後、七尾美術館に寄託される予定。同美術館の嶋崎丞(すすむ)館長は「等伯が50代後半の円熟期の作品だと思う。今秋にも一般公開したい」と話す。

京都造形大の青木芳昭教授は「400年たった現在も墨の色がつやっぽく、劣化が少ないのは当時の高級な墨を使ったから。等伯は墨を知りつくしており、発色と定着をしっかり考えた技が光っている」と話す。

猿猴図は6曲屏風の4曲部分とみられ、松竹図は6曲1双の屏風の3曲部分と1曲部分をつなぎ合わせ、いずれも2曲屏風にしたとみられるという。修復にあたった表具師で、京都造形大講師の物部泰典氏は「紙の継ぎ方や縁のとり方などからどちらも6曲1双の屏風だったのだろう。2曲屏風にしたのは周辺を除いて一番の見せ場を残したのではないか」とみる。

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