2018年12月10日(月)

ファクタリング、ヤミ金が装う 違法貸し付け、大阪などで摘発 法規制求める声

2017/8/30 23:12
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債権を買い取って回収を代行するサービス「ファクタリング」を装ったヤミ金融が横行し、警察当局が取り締まりを強めている。大阪府警は今年、回収業務と称して高金利での貸し付けを繰り返したとされるグループのメンバーを逮捕。摘発の動きは各地に広がりつつある。手形割引に変わる資金繰りの手段として利用する企業が増えるなか、サービスへの法規制を求める声も上がる。

昨年9月ごろ、関西の加工会社会長は自社の事業運営に頭を抱えていた。売掛金の回収が進まず、運転資金は枯渇。資金繰りに窮した状況で勧誘を受けたのが、東京都内のファクタリング業者だった。

会長は約320万円の売掛債権を業者に譲渡する一方で、同じ業者から20万円を借り入れた。利息を含めて31万円を返済したが、債権は結局、業者の求めで会長側に戻ることになったという。

業者は債権の購入代金を支払っておらず、府警生活経済課は一連の取引について、債権を担保にした無登録での違法な貸し付け行為だったと判断。同じグループのメンバーが複数の中小企業を相手に、同様の手口による貸し付けを繰り返したとして、今年1月以降、14人を貸金業法違反などの疑いで逮捕した。

府警によると、ファクタリングを偽装したヤミ金融の摘発は初めてといい、これまでに大阪地裁は判決期日を迎えた中心メンバーらを有罪とした。7月には栃木県警が別グループの男2人を逮捕するなど、各警察も捜査を進めている。

新手のヤミ金業者が暗躍する現状について、日本ファクタリング業協会(東京・中央)は「ファクタリングは企業の資金繰りに不可欠な存在になっている。一部の悪質な業者によって、円滑な経済活動が阻害されかねない」と懸念する。

営業登録や金利などで法律の網がかかる貸金業と異なり、ファクタリングに対する規制のない現状を問題視する意見もある。ヤミ金融に詳しい前田勝範司法書士は「ファクタリング業に登録制を導入して実態を把握しやすくするなど、ヤミ金業者を排除できる仕組み作りが必要だ」と強調している。

■ファクタリング、資金繰り手段で浸透

ファクタリングは、企業が持つ売掛債権を買い取る回収代行サービス。電子決済の普及に伴い、企業が商取引に手形よりも売掛債権を選ぶケースが増え、資金繰りの手段として広く浸透している。

取引先に対し50万円の債権がある企業の場合、45万円でファクタリング業者に販売すれば、受取期日より先に現金を得られ、業者は回収した50万円のうち差額の5万円を手数料収入にする。企業が債権回収に当たり、業者が買い取りのみを行う形態もある。

営業を始めるに当たって認可や登録などの必要はなく、取扱業者は増加傾向にある。日本ファクタリング業協会によると、大手銀行やリース会社なども含め、少なくとも約1千社が業務を手がけているという。

■ヤミ金、手口が一層巧妙に
 ヤミ金融を巡っては近年、警察当局が摘発を強化するファクタリング偽装以外にも、クレジットカードの「現金化」と呼ばれる方法など、商取引を装った違法な貸し付けが目立っている。
 「現金化」の手口の一つが「キャッシュバック型」。ヤミ金業者は通販サイトなどに出した何らかの物品を借り手に高額で買わせる一方、代金から金利分を差し引いた金額を貸し付ける。借り手にとっては、カードの決済日がヤミ金業者への返済期日となる。
 借り手に高額な商品を買わせた直後、業者が金利分を除いた金額で買い取った上で現金に換える「買い取り型」も代表的な手法とされる。
 個人間の物品売買を仲介するアプリに、現金や電子マネーが出品されるケースも問題化。借り手は、業者が出品した金額を上回る額の値をつけたうえで現金を受け取り、その後にカード決済する。
 金融庁は、出品との差額を金利とした事実上の金銭貸借に当たり、貸金業法に違反しかねないとして、警察当局などと連携して監視強化に乗り出している。

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