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100年の節目、改革に着手 天王寺動物園の新世紀(1)
軌跡

2015/1/20 6:30
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1日、大阪市天王寺動物園が開業100周年を迎えた。通常、元日は休園だがこの日は特別営業し、家族連れら約6700人が来園。花束贈呈やガイドツアーなどの記念行事に拍手と歓声を上げた。

元日から特別営業し花束贈呈などの記念行事を行った(大阪市天王寺区)

元日から特別営業し花束贈呈などの記念行事を行った(大阪市天王寺区)

ただ園内を巡ると、アジアの熱帯雨林といった動物の生息環境を模した最新施設に人が集まる一方、空っぽの飼育舎や設備の傷みが各所で目に付く。「アシカ池など一部は戦前の設備が今も現役。老朽化し、安全面でも心配」と同園の榊原安昭獣医師は話す。

1915年に東京・上野、京都に続く日本で3番目の近代動物園として開業した園は、1世紀の節目と共に一つの転機を迎えつつある。

都心に11ヘクタールの敷地を構え、国内で唯一飼育する鳥のキウイをはじめ多くの希少種を展示するなど特色豊か。だが入園者数は近年120万人前後で推移し、全国の動物園で5、6位にとどまる。少子化や娯楽の多様化の影響もあるがピーク時(73年度、約335万人)と比べるべくもない。

入園者の4~5割は市内の小中学生や高齢者らで無料。経費の約7割を占める大阪市の負担は2012年度は7億6700万円に上った。市の財政難で経営合理化が続き、設備の新設・更新費は07年度以降、ほぼゼロ。業務の外部委託などを進め、10年前の約4分の3に当たる60人弱の職員で約900匹を世話する。

動物園の今後はどうあるべきか。注目の的になっているのが北海道旭川市の旭山動物園だ。動物それぞれの特徴的な行動を引き出す「行動展示」を掲げて話題を集め、96年度に26万人だった入園者数は06年度に300万人を超え、人気はなお衰えない。

天王寺動物園も改革に乗り出した。指揮を執る改革担当部長を一般公募し、昨年7月、文部科学省官僚から転身した牧慎一郎氏が就任した。

売り物の「アジアの熱帯雨林ゾーン」(大阪市天王寺区)

売り物の「アジアの熱帯雨林ゾーン」(大阪市天王寺区)

官僚時代は科学技術や宇宙関連の政策などを担当する一方、趣味の動物園巡りが高じて動物園を支援するNPOを発足。動物園をテーマにしたテレビのクイズ番組で優勝した経験も持つ異色の人材だ。

牧氏は同園について「他の園の動向があまり研究できておらず、来園者の目線に欠けていた。工夫すべき点が多い」と分析する。一例に挙げるのが情報発信。どの動物の子供が最近生まれたのか紹介する情報コーナーが園の入り口になく、新設させたという。

「独立行政法人化など今後の運営体制も検討すべき課題」と語る牧氏の任期は3年。次の100年に向けた基本計画を15年度中にまとめ、翌年度から実行に移す方針だ。

編集委員 竹内義治が担当します。

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