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100号突破 闘う現場の力に 「消費者守れ」情報発信(1)
軌跡

2014/12/16付
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大阪市北区の大阪地裁近くのビルの一室で11日、ある情報誌の編集会議が開かれた。議題は2015年前半に発行する号の中身をどうするか。「消費者契約法の改正については特集でやりましょう」「民法改正の問題をどのように載せるか考えたいですね」。特集テーマのほか、近年連載している17のシリーズの原稿を誰に書いてもらうかなどを詰める議論が続いた。

来年発行の号の内容を話し合う消費者法ニュースの編集会議(大阪市北区)

来年発行の号の内容を話し合う消費者法ニュースの編集会議(大阪市北区)

「消費者法ニュース」。大阪の弁護士らが中心になって1989年から出しているユニークな情報誌だ。1年に4号程度発行しており、今年夏に通算100号を迎えた。シリーズ化して取り上げているテーマは消費者行政、サラ金・商工ローン、クレジット・リース被害、消費者契約法・悪質商法、PL(製造物責任)、欠陥住宅、食の安全、電子商取引など多岐にわたる。

「消費者一人ひとりは力がない。会社などの組織に対抗するには多くの人の力を集めるしかない。この情報誌が闘いの現場で武器になればという思いで発行を続けてきた」。長年発行責任者を務めてきた植田勝博弁護士は語る。

悪質商法への対処では、資金を取り戻したり、業者の責任を認めさせたりした事例が参考になる。このため各地の裁判の判決や和解の速報を掲載し、重要な事案は判決全文を載せてきた。このほか、消費者庁幹部による改正法の要点解説、弁護士によるシンポジウムの報告、消費者センター相談員の事例紹介、被害者の手記など、毎号盛りだくさんの原稿を掲載している。

同誌は89年当時出ていた3つのニュース誌を引き継ぐ形で誕生した。クレジット・サラ金、訪問販売、豊田商事被害の対策ニュースだ。それぞれ弁護士らが手弁当で発行していたが、経費がかさみ、いかに継続させるかが課題になっていたという。

「各ニュースは被害の実態を知らせ、対策や判決・和解の情報を共有する役割を果たしていた。規制強化など法改正を訴えていくためにも関係者の連帯が必要。それをなくしていいのか、という雰囲気があった。私は3つのニュース全部にかかわっていたのでそれらを発展継承する受け皿を考えた」と植田さん。

会員制の発行会議を設け、「千人集めれば継続できる」という算段で発行を始めた。大阪で出ていたニュースを引き継いだという経緯はあるが、法制度や国の政策も論じる全国の専門家向けの情報誌を25年間ずっと大阪で編集してきたという点でもユニークな存在だ。大阪は消費者問題、被害が早く表面化し、対策への取り組みで弁護士らが協力する土壌があったという。

スタート当初は8ページだったが、取り上げるテーマが年々拡大。近年は350ページ程度の大冊になっている。

編集委員 堀田昇吾が担当します。

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