2019年9月24日(火)

法科大学院存続へ必死 甲南大や関大、相次ぐ定員割れ

2014/9/6付
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企業で働く「企業内弁護士」の養成、大学自ら法律事務所の立ち上げ――。西日本の法科大学院が、あの手この手で生き残りを図ろうと必死だ。一部の上位校を除くと定員割れや募集停止が相次ぐ厳しい状況で、各校は学生集めに知恵を絞っている。一方で法科大学院を修了せずに司法試験の受験資格が得られる「予備試験」の人気が高まっており、制度の在り方も問われている。

「企業で働く弁護士に必要なのは法曹人脈の豊富さと、実務を踏まえて法的な助言ができる能力です」。商標などの管理支援を手掛ける「ブライツコンサルティング」(東京)の男性幹部がこう語りかけると、スーツ姿の学生約10人が熱心にメモを走らせた。

甲南大法科大学院(神戸市)で4~7月に計15回開かれた「企業法務論」の講義の一コマだ。企業の法務担当者らを講師に招き、ビジネスの現場で弁護士が活躍する事例を学ぶ。今年度から必修化した。

同大学院では2009年度から定員割れが続く。今年度は定員を前年よりほぼ半減して26人にしたが、それでも入学者数は15人にとどまった。

渡辺●(豈に頁)修院長は「企業法務に強い人材を輩出する学校として認知度を高めるしかない」と強調。在校生と卒業生を対象に、企業内弁護士を採用する企業の就職説明会を今年度から開く予定だ。

今年度の定員充足率が約68%にとどまった関西大法科大学院(大阪府吹田市)は、年度内にも大学自ら法律事務所を立ち上げ、卒業生の弁護士を雇用する。昨年度からは教員が卒業生に連絡を取り、司法試験対策や司法修習についての助言も始めている。関西大の担当者は「卒業生へのケアを充実させ、安心して入学してもらえるようにする狙い」と話す。

一方、募集停止に追い込まれた法科大学院は、他大学との連携で存続への道を探っている。

15年度の募集停止を決めた島根大法科大学院(松江市)は、静岡大法科大学院(静岡市)などとの「連合大学院」の設立を検討。遠隔地の法科大学院同士が提携するのは全国初の試みで、16年度の設立を目指している。

互いの教員による出張講義や、講義のインターネット中継などで、地方大が抱える教員不足を解消するのが狙い。朝田良作研究科長は「司法過疎は深刻。地方の法科大学院には地域に根ざした法曹を育てる使命がある」と強調する。

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