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サウジ、女性の運転容認 宗教界の反対押し切る

【ドバイ=岐部秀光】サウジアラビアのサルマン国王は26日、国内で禁じている女性の自動車運転を認める方針を発表した。サウジが石油に依存しない「普通の国」へ変わる改革の一環で、一部宗教界の強い反対を押し切った形だ。女性の就労に追い風となるほか、外国企業の誘致拡大にもつながると期待している。

運転解禁は来年の6月から。女性にも男性と同じように運転免許証を交付するという。決定はサウジの国営テレビを通じて国民に伝えられた。

サウジの報道によれば決定はイスラム聖職者でつくる評議会で多数の支持を得た。国王の勅令は運転解禁について「シャリア(イスラム法)の基準に従う」と指摘した。

イスラム教の戒律では、女性は「弱者」として保護の対象となる。旅行や就労、結婚などで父親や夫など「男性の保護者」の同意を得なければならない。今回、女性が運転免許証を取るのに夫や父親の許可が要るかどうかは明らかでない。

報道によると複数の省庁でつくる審査委員会が30日以内に解禁の影響について報告をまとめる。

国際人権団体などは女性の運転禁止をサウジの非民主的な政治状況の象徴として批判してきた。

サウジ政府は女性の雇用拡大を改革の大きな目標に掲げる。公共交通機関の整備が遅れているサウジで運転ができない女性は職場へ通う手段を見つけることが極めて難しかった。

サルマン国王の息子であるムハンマド皇太子が旗振り役となる改革は、景気の低迷や緊縮策の広がりで失速も指摘される。象徴的な自由化に踏み切ることで、再び改革に弾みをつけたい狙いもあるとみられる。

サウジは今後、人口が急増する。多額の原油収入を国民に分配する「国家丸抱え」の仕組みは続けられなくなる。外国企業の誘致などを通じて経済を多様化し、民間部門で雇用をつくりだす必要に迫られている。

イスラム教スンニ派の厳しい戒律を重んじる宗教界は、サウジの建国以来、きわめて大きな地位を占めてきた。女性の人権拡大や経済開放を「非イスラム的」と考える保守的な宗教関係者の不満はくすぶっているとみられる。

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