2018年8月20日(月)

極右AfDが初議席、第3党に躍進 ドイツ議会選

2017/9/25 10:51
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 【ベルリン=深尾幸生】24日に投開票されたドイツ連邦議会(下院)選挙で、反イスラムを掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が初めて議席を獲得し、第3党に躍り出た。民族主義政党が連邦議会に席を占めるのは戦後の混乱期以来、ほぼ60年ぶり。AfDは難民やイスラムの排斥を訴える選挙戦術を展開。旧東独に限ると第2勢力になった。難民への不満や不安がドイツ社会に根強く存在することが浮き彫りになった。

24日、ドイツ総選挙で第3党に躍進する勢いの結果を受け笑みを浮かべる「ドイツのための選択肢(AfD)」のペトリ代表=ベルリン=ゲッティ共同

 AfDの得票率は選挙管理委員会の暫定結果によると12.6%に達した。「選挙の顔」として選挙戦を率いたアレクサンダー・ガウラント氏はベルリンで「我々はメルケル氏を追い詰める。国家を取り戻す」と気炎を上げた。

 メルケル首相のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)はAfDとの連立協議を否定しており政策への影響は限られるが、第3党になるまで支持を集めたことは衝撃だ。

 AfDの得票率は途中経過ながら旧西独地域では10%強だったのに対し、旧東独地域では20%を超え、社会民主党(SPD)を上回る第2勢力に立った。

 AfDはメルケル氏の難民受け入れ政策が社会を不安定にしていると主張。難民の強制送還やイスラム教の受け入れ拒否を訴えた。旧東独は難民受け入れへの経験が乏しく、反発も強い。経済成長の恩恵に取り残されたと感じる白人労働者層の支持を取り込んだ。

 前回2013年の選挙の投票政党からの有権者の変化では全ての主要政党から票を奪った。CDU・CSUからの乗り換えと、前回投票しなかった有権者からの得票が多かった。

 SPDの支持者の公務員の女性はAfDの躍進に「民主主義の危機だ。既存政党が難民問題への解答を示せなかったことがこの結果につながった」と嘆いた。

 AfDは13年に単一通貨ユーロへの反対を旗印に結成された。次第に民族主義色を強め、15年に経済政策を重視する党員が離党。反移民や反イスラムの主張が目立つようになった。

 15年の大みそかにケルンで起きた難民による暴行事件などをきっかけに支持を拡大し、16年の2つの州議会選挙では第2勢力にまで躍進。支持率は一時16%まで高まった。その後、党員のナチス擁護発言などで10%を割り込んでいたが、選挙戦終盤にインターネットを使った選挙活動などで再び浮上した。

 ドイツの連邦議会選挙には小政党が乱立するのを防ぐため「阻止条項」と呼ばれるルールが存在する。比例代表で5%以上得票できなかった政党は議席を得られない。これまで極右政党はこの5%の壁に阻まれてきたが、今回AfDは初めてその壁を越えた。

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