米朝、制裁にらみ応酬続く 建国記念日・採択控え激しく

2017/9/8 11:00
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【ワシントン=永沢毅、ソウル=山田健一】国際社会が6回目の核実験を強行した北朝鮮への非難を強めている。トランプ米大統領は7日、「軍事行動は確かに選択肢だ」と警告を発し、さらなる挑発をけん制した。欧州連合(EU)は米国がまとめた国連安全保障理事会による制裁強化に賛同した。9日の北朝鮮建国記念日や11日に予定されている制裁決議案採決を視野に、北朝鮮包囲網づくりが大詰めを迎えている。

トランプ氏はホワイトハウスで開いた記者会見で「できれば軍事力を使いたくない」と述べた。そのうえで米国が軍事力を使えば「北朝鮮にとってとても悲しい日になるだろう」とも語り、軍事力行使を排除しない姿勢を改めて示した。

念頭にあるのは目の前に控える2つの大きな日程だ。一つが9日の北朝鮮の建国記念日だ。韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相は「北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射するとの予測もある」と語った。米軍による攻撃の可能性を示して、北朝鮮に自制を求める戦略とみられる。

もう一つの節目が国連の追加制裁決議案の採決を目指す11日だ。北朝鮮に対して厳しい姿勢で臨む米国の姿勢を鮮明にし、石油の全面禁輸を含む厳しい追加制裁案の採択に消極的な中国とロシアに圧力をかける思惑が浮かぶ。

米国務省のナウアート報道官は7日の記者会見で、北朝鮮の核実験を巡って「世界の安全保障にとっての問題だ」と指摘。中国とロシアに制裁決議案への賛成を促した。

国際社会は北朝鮮への批判を強めている。欧州連合(EU)は7日、エストニアの首都タリンで開いた非公式外相会合で北朝鮮に対する制裁強化で一致した。会合後に記者会見したEUのモゲリーニ外交安全保障上級代表は制裁強化を支持し、EUの独自制裁の拡大も検討すると述べた。

英国のジョンソン外相は6日のティラーソン米国務長官との電話協議で、安保理協議の採択に向けた協力を確認した。メキシコ政府は7日、同国駐在の北朝鮮大使を「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)として72時間以内に国外追放すると発表した。一連の北朝鮮の核開発活動が理由だ。

国際社会の批判に対し、北朝鮮は強い反発を示した。朝鮮中央通信は7日夜、朝鮮アジア太平洋平和委員会のスポークスマン声明を伝えた。

声明は「制裁と圧力に執着するなら類例のない断固たる対応に直面する」と米国を威嚇。日本に対しても「これ以上米国の手先になって振る舞ってはならない」と名指しで批判した。韓国にも批判の矛先を向け、日米韓の連携を妨げる姿勢を示した。制裁強化などに反発し、北朝鮮が暴発するリスクがあるとの懸念も出ている。

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