2019年5月27日(月)

安保理、北朝鮮非難の議長声明 日韓「強い決議を」

2017/8/30 9:42 (2017/8/30 13:16更新)
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【ニューヨーク=高橋里奈】国連安全保障理事会は29日夕(日本時間30日朝)緊急会合を開き、北朝鮮による日本上空を通過した弾道ミサイル発射を非難し、発射の即時停止を求める議長声明を全会一致で採択した。議長声明の形をとり北朝鮮の行動を受け入れない国際社会の総意を強調した。一方、安倍晋三首相は30日午前、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と電話で協議。日本側の説明によると、さらに強い決議が必要との認識で一致した。

国連安保理の緊急会合(ニューヨーク)=共同

議長声明では「北朝鮮の言語道断の行為を非難し、すべてのそうした行為を即座にやめるよう求める」と明記した。「日本を飛び越えるミサイル発射などにより、北朝鮮が故意に地域の平和と安定を損なうことに深い懸念を表明する」と具体的に書いた。

北朝鮮に過去の安保理決議を「即座に」順守するよう求め、弾道ミサイル関連の活動をすべて中止し、すべての核開発計画と核兵器も放棄するよう要求。国連の全加盟国に対し「厳格に、十分に、迅速に過去の制裁決議を履行するよう求める」と訴えた。一方で対話を通じた平和的解決の重要性にも触れた。

北朝鮮のミサイル発射を巡って安保理が議長声明を発表するのは2012年4月以来ほぼ5年ぶり。これまで報道機関向けの非公式文書の報道声明で対応するケースが多かったが、今回は日本の上空通過を重く見て日米が声明案作りを主導し、公式記録に残る議長声明を採った。安保理の意思表示は決議、議長声明、報道声明の順に重い。

緊急会合は日米韓3カ国が議長国のエジプトに開催を要請。日米は制裁強化を求めた。29日の会合では石油禁輸など具体的な内容には触れなかったというが、日米は引き続き中国やロシアの協力を取りつけた上で石油禁輸措置の提起を目指す。

安保理は北朝鮮による7月28日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受け、今月5日に石炭や海産物の全面禁輸などを盛った追加制裁を決議した。北朝鮮に近い中国やロシアはこの制裁の履行を優先すべきだとの立場で、圧力強化を重視する日米とはズレがある。

米国のヘイリー国連大使は会合後、「世界は結束した」と語り、北朝鮮を強くけん制した。グテレス国連事務総長も29日「ミサイル発射は地域の安全保障と安定、対話を生み出す努力を損なう」との非難声明を発表した。

一方、安倍首相は韓国の文大統領と約20分間、協議した。日本側の説明によると日本上空を通った29日の弾道ミサイル発射について「北朝鮮の挑発は暴挙だ。日韓の緊密な連携の必要性がさらに高まった」との認識で一致。文氏は安保理の議長声明に関し「日米韓の協力の成果」と評価した。菅義偉官房長官は30日午前の記者会見で北朝鮮への経済制裁について「石油の禁輸も当然、選択肢のひとつだ」と語った。

衆院安全保障委員会は30日午後、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、閉会中審査を開いた。河野太郎外相と小野寺五典防衛相が出席し、日本政府の対応や国際社会との連携などを巡り議論した上で北朝鮮に抗議する決議を採択する。衆院に続いて参院外交防衛委員会も閉会中審査を開き、同様の決議を採択する。

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