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「需要がある米国で生産」ホンダ、GMと合弁 将来のコスト計算も

会見するホンダの神子柴寿昭専務執行役員(30日、デトロイト)

【デトロイト=中西豊紀】ホンダが燃料電池車(FCV)の基幹部品を米ゼネラル・モーターズ(GM)と共同生産する。ホンダで北米事業を統括する神子柴寿昭専務執行役員は30日の記者会見で、米国を生産拠点に選んだ理由として「世界最大のFCV市場だから」と述べた。競合のトヨタが国内生産にこだわるなか、ホンダは協業を生かしコスト削減を目指す。

自動車メーカーに対しては、トランプ米大統領が米国での雇用創出を求めている。米国での生産合弁会社の設立は大統領の意をくんだように映るが、ホンダもGMも政治への言及を徹底して避けた。FCVの実用化でホンダが先行していながら合弁が折半出資になった理由も「対等の精神」(神子柴氏)と説明した。

とはいえ、政治的なアピールの側面がゼロというわけではない。記者会見にはミシガン州の副知事も出席し、新設する生産合弁会社に200万ドル(約2億2700万円)の補助金を出すと表明した。GMのダン・ニコルソン上級副社長は「雇用を生み、ミシガン州を未来の自動車産業のリーダーにする」と述べている。

合弁はこうした「米国第一」の文脈に沿った投資であるとともに、FCVの量産を容易にする意味合いもある。市場が新しく、先の需要が読みにくいFCVは、生産設備にお金をかけることにはリスクが高い。投資を負担し合い、貴金属など主要素材を共同で調達すれば1社あたりの生産コストは大きく下がる。

トヨタはFCVを基幹部品から車体まで一貫して愛知県でつくっているが、車が大幅に普及するまでは赤字事業とみられている。電気自動車(EV)など環境車の技術が多様化するなか、ホンダやGMはFCVばかりに巨額の資金を投じられないと判断したもようだ。

もちろん、基幹部品の海外生産は日本の開発・生産力を落としかねないリスクもはらむ。今回の合弁には、トランプ氏が率いる米国とどう付き合うかも含めた将来の「コスト計算」が含まれていそうだ。ホンダとGMの幹部が会見で繰り返し述べた「ワンチーム」の言葉の意味は、平時と比べてはるかに重い。

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