トランプ氏、大統領令で温暖化対策撤回 石炭産業支援を約束

2017/3/29 7:27
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【ワシントン=川合智之】トランプ米大統領は28日、火力発電所への二酸化炭素(CO2)排出規制などの見直しを指示する大統領令に署名した。トランプ氏は署名のために訪れた米環境保護局(EPA)で「雇用を取り戻す」と述べ、地球温暖化対策で打撃を受ける石炭産業への支援を約束した。

温暖化関連規制の見直しを指示する大統領令に署名したトランプ氏(28日、ワシントン)=ロイター

トランプ氏は「私の政権は石炭との戦争を終わらせる」と述べ、温暖化関連の規制を180日以内に見直すよう指示した。政府所有地での石炭採掘規制やシェールガス・オイルの採掘規制なども再評価し、必要なら速やかに一時停止・廃止するよう要請した。

オバマ前政権が導入した火力発電所規制はCO2排出量を2030年までに05年比で32%削減する内容。ホワイトハウスによると、同規制に対し全米27州が取り消しを求めて訴訟を起こした。規制は石炭生産量を2億4200万トン押し下げ、年間で最大390億ドル(約4兆3千億円)の発電コスト増につながるとの試算もある。

トランプ氏は温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の離脱も主張していた。今回の大統領令に離脱は含まれないが、温暖化規制を撤回すればCO2削減の機運に逆風となる。

一方、米国産シェールガスの低コスト化が進んだ影響で、足元ではCO2排出が石炭より少ない天然ガス発電への移行が加速している。風力や太陽光発電のコストも下がっており、どこまで石炭利用が回復するかは見通せない。

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