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米、追加利上げ見送り 声明で「短期リスク弱まった」

【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決め、追加利上げを見送った。ただ、英国の欧州連合(EU)離脱問題による市場の混乱は一服し、会合後の声明で「短期的なリスクは弱まってきた」と表明。秋以降の利上げ再開に意欲をみせた。海外市場の動向も見極めながら、引き締め時期を探る考えだ。

FRBは昨年12月に9年半ぶりの利上げに踏み切って以降、市場の混乱や雇用の減速によって半年以上も追加利上げを見送ってきた。今回も英EU離脱問題によって、短期金利の指標であるフェデラルファンド金利(FF金利)の誘導目標を、年0.25~0.50%で据え置いた。

会合後に公表した声明文では英EU問題に直接言及するのを避けた。ただ、一時急落した米株価は再び持ち直し、7月中旬には過去最高値を更新。減速傾向だった雇用指標も6月には急回復し、声明文では「景気見通しへの短期的なリスクは弱まってきた」と強調した。

7年もの回復局面が続く米景気は底堅く、声明文では「経済活動は緩やかに拡大している」と指摘した。29日に発表する4~6月期の実質国内総生産(GDP)は、伸び率が2%台に戻るとみられており、FOMCも一定の自信をのぞかせた。雇用情勢の持ち直しによって「家計支出は力強く伸びた」とも分析し、判断を前回6月の会合時から上方修正した。

次回は9月にFOMCを開く。市場では年内の追加利上げを見込む割合が5割に達しており、今後は追加利上げの時期に注目が集まりそうだ。FOMCは「引き続き海外経済と金融市場を注視する」とも表明しており、イタリアの不良債権問題など金融システム不安の見極めが重要になりそうだ。

米経済の課題は先行きの成長期待の伸び悩みだ。FOMCは今回の声明でも「設備投資は弱含んでいる」と指摘。企業が英EU離脱問題や11月の米大統領選を懸念して投資を先送りしており、潜在成長率そのものが低下する負の循環の入り口にある。米経済に過熱感はみられず、低成長下での追加利上げには慎重意見も残っている。

今回のFOMCでは、投票メンバー10人のうち9人が利上げ見送りに賛成した。ただ、カンザスシティー連銀のジョージ総裁は追加利上げを主張して反対票を投じた。

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