2019年5月25日(土)

シーメンス、アルストムと鉄道事業統合 欧州連合で中国に対抗

2017/9/27 5:59 (2017/9/27 11:53更新)
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【フランクフルト=深尾幸生】鉄道車両世界2位の独シーメンスと同3位の仏アルストムは26日、鉄道事業を統合すると発表した。シーメンスの同事業とアルストム本体とを統合しシーメンスが新会社の株式の50%を取得する。新会社の売上高は153億ユーロ(約2兆円)。首位の中国中車に対抗できる欧州連合をつくる。

アルストムはフランスの「TGV」、シーメンスはドイツの「ICE」で知られる欧州の高速鉄道のメーカーとして高い技術力を持つ。シーメンスは同4位のカナダのボンバルディアとも事業統合交渉をしていたが、欧州連合で決着した。

同日、事業統合の覚書を交わした。新会社の名称は「シーメンス・アルストム」とし、2018年末までの統合完了を目指す。

日本勢は高速鉄道を成長市場とみて、日立製作所が英国を拠点に現地で大型受注を獲得し、欧州企業を買収するなど事業を拡大してきた。シーメンスとアルストムの統合で欧州の圧倒的な巨人が誕生することになり、日本勢の戦略にも影響を与えそうだ。

シーメンスとアルストムは「対等の統合」を強調するが、シーメンスが設立から4年後以降に新会社の2%分の株式を追加取得する権利を持つ。11人の取締役のうち6人をシーメンス側がとる。

本社はパリかその周辺に置き、フランスで上場する。アルストムのアンリ・プパール=ラファルジュ最高経営責任者(CEO)がCEOに就くことでバランスをとる。従業員数は単純合算で6万2千人。重複する部門の整理などで統合4年後に4億7千万ユーロのシナジー効果を見込む。ただ、欧州など一部の市場ではシェアが高いため、独禁法当局の承認を得られるかは不透明だ。

アルストムは中東やアフリカ、インドや中南米で強く、シーメンスは中国や米国、ロシアに強く地理的な補完関係が大きい。シーメンスが強みを持つデジタルサービスとも組み合わせ、中国中車との違いを打ち出す。

シーメンスのジョー・ケーザー社長は声明で「アジアの支配的なプレーヤーが世界の市場力学を大きく変えた」と述べ、15年に中国の大手2社が統合してできた中国中車の存在を統合の理由に挙げた。中国中車は中国国内だけでなく、国外にも勢力を広げ、新興国を中心に受注競争が激しくなっている。

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