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FRB、追加利上げ見送り 資産縮小は9月決定か

【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決め、追加利上げを見送った。FOMC後に公表した声明では、量的緩和で買い入れた保有資産の圧縮について「比較的早く開始する」と明示。9月の次回会合で資産縮小を正式に決める可能性が強まり、2008年の金融危機対応からの完全脱却が近づいた。

短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は、投票メンバー9人の全員一致で年1.00~1.25%のまま据え置いた。FRBは6月中旬の前回会合で今年2回目の利上げに踏み切ったばかりだ。金融引き締めの影響を見極めるため、今回は利上げを見送るとの見方が大勢だった。

米経済は拡大局面が9年目に突入し、FRBは金融危機後の量的緩和で膨らんだ保有資産の縮小を検討している。26日のFOMC後の声明では「経済が想定通り改善すれば、比較的早期に着手するだろう」と強調した。6月の前回会合時の声明文は「年内に着手する」としていたが、今回はさらに一歩踏み込んだ。

FOMC内では資産縮小の開始時期を巡って「早期」とする積極派と「年内遅く」とする慎重派で分かれていた。積極派のイエレン議長は7月中旬の米議会証言で「比較的早期に」と主張していたが、FOMC内でも早期着手に向けて意見集約が進みつつある。市場では9月の次回会合で資産縮小の開始を決めるとの見方が強まりそうだ。

FRBは年内さらに1回の追加利上げを見込んでいるが、今回のFOMC後の声明文では、具体的な利上げ時期に言及するのを避けた。足元では物価上昇率の鈍化が目立っており、イエレン議長も7月中旬の議会証言で「数カ月は注視する」と慎重意見を述べたばかりだ。9月の次回会合では資産縮小の開始を決める一方、追加利上げは見送る可能性がある。

FRBは2008年のリーマン・ショック後、初めての量的緩和政策に踏み切り、米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を大量に買い上げた。金融危機前は1兆ドルを切っていた保有資産の規模が4兆5千億ドルに拡大。量的緩和終了後も資産規模を保ち、金融システムを支えてきた。資産縮小の開始は金融危機対応からの完全脱却を意味しており、市場には追加の引き締め圧力がかかることになる。

FOMCは6月のFOMCで、段階的に資産圧縮を進める基本計画を公表している。保有債券は市場で売却するのではなく、満期を迎えた債券への再投資を減らすことで残高を圧縮する。主要国ではカナダが7年ぶりの利上げに踏み切り、欧州中央銀行(ECB)も今秋をめどに量的緩和政策の縮小を議論するとしている。金融危機後の世界的な大規模緩和は、転換点を迎えつつある。

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