2018年10月19日(金)

米、法人税率15%に下げ トランプ政権が税制改革案

2017/4/27 4:41
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【ワシントン=河浪武史】トランプ米政権は26日、大型税制改革の基本方針を公表した。連邦法人税率を35%から15%へと大幅に引き下げることが柱で「過去最大の減税案」(ムニューシン財務長官)となる。輸出を免税して輸入を課税強化する「法人税の国境調整」は現段階で導入を見送った。税制の立案・決定権がある議会側は財政規律を重視しており、財源確保策などが課題となる。

26日、記者会見で大型税制改革の基本方針を説明するムニューシン米財務長官(ホワイトハウス)=ロイター

ムニューシン財務長官とコーン国家経済会議(NEC)委員長が記者会見して発表した。「経済成長と米雇用のための税制改革」とうたったが、減税規模などの詳細は公表を先送りした。税制改革案はホワイトハウスではなく議会が立案して決定する仕組みのため、今回の改革案は「たたき台」の意味合いが強い。5月中に議会側と詳細を詰めるとしており、包括的な税制改革案の公表は6月以降になる。

法人税制改革では、連邦法人税率を35%から15%に引き下げるとした。レーガン政権下の1986年に46%から34%に引き下げて以来、約30年ぶりの大型減税を目指す。米国の法人税率は主要国で最も高い水準となっており、大幅減税で「企業の競争力を高める」(ムニューシン氏)とした。

米法人税制は企業が海外で稼いだ利益にも課税する「全世界所得課税方式」を採用する。26日公表した改革案では、海外利益は課税対象外とする「源泉地国課税」に切り替えるとした。日本など主要国は源泉地国課税で、米企業には「国際競争で不利だ」と不満が強かった。企業が一時的にため込んだ海外留保資金には「一度のみ課税する」とした。

個人税制は最高税率を39.6%から35%に下げ、7段階ある税率構造も10%、25%、35%の3段階に簡素化する。基礎控除も2倍に引き上げて低中所得層の減税幅を広げる。減税規模はトランプ氏の選挙公約をやや下回るものの、個人所得税でも過去最大規模の減税を目指す。

主に富裕層にかかる相続税は「廃止する」と明記した。株式などへの譲渡益に課税する「キャピタルゲイン税」は税率を23.8%から20%に下げる。3.8%分は医療保険制度改革法(オバマケア)の財源の一部となっていた。

米国では税財政の立案・決定は議会に権限があり、ホワイトハウスには法案提出権がない。そのため、ムニューシン、コーンの両氏は「詳細は上下両院と今後詰める」と繰り返した。ライアン下院議長ら与党・共和党の議会指導部は大型減税を主導するが、連邦法人税率は20%に下げるとしてきた。税収確保のため輸入事業の課税を強化する「法人税の国境調整」の導入も検討してきた。

トランプ大統領は選挙戦中から法人税率を35%から15%に下げると公約してきた。トランプ政権は29日に発足100日を迎えるが、今回の税制改革案の公表はその実績づくりとの側面が大きい。与党・共和党は主流派、保守派とも財政規律を重視しており、安定財源の確保を巡って議論が紛糾する可能性もある。

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