ブラジル配車最大手、ソフトバンクから110億円調達
【キト(エクアドル)=外山尚之】ブラジル配車サービス最大手の99は24日、ソフトバンクグループから1億ドル(約112億円)を調達することで合意したと発表した。99はソフトバンクが大株主の中国の同業、滴滴出行から出資を受けており、一連の調達で得た資金をもとに中南米地域へサービスを拡大する。
99は2012年創業のベンチャー企業で、ブラジルの約400都市でタクシー配車とライドシェア(相乗り)サービスを手掛ける。運転手の数は20万人、登録者数は1400万人と同国では最大手。
今回の提携はソフトバンクによる米ウーバーテクノロジーズへの対抗軸の拡充という見方もできそうだ。ウーバーは中南米の各国で事業を拡大しており、ブラジルでも99と競合している。ソフトバンクは滴滴出行に加え、東南アジア最大手のグラブ(シンガポール)やインドのオラなど世界各国でウーバーの競合相手に出資しており、各社は相互利用で提携している。
99は相互利用への参加については明らかにしていないが、今回調達した資金を中南米進出に振り向ける方針を明らかにしており、ソフトバンク陣営にとって空白地帯を埋める役割を果たすとみられる。1社で世界中で事業を展開するウーバーとの競争が激しくなりそうだ。
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