2017年12月16日(土)

「北朝鮮脅威、眼前に」 安倍首相が国連演説
国際社会に結束呼びかけ

2017/9/21 3:28
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 【ニューヨーク=田島如生】訪米中の安倍晋三首相は20日午後(日本時間21日未明)、国連総会で一般討論演説をした。北朝鮮の核実験や日本上空を通過した弾道ミサイル発射を踏まえ「脅威はかつてなく重大で、眼前に差し迫ったものだ」と強調。金正恩(キム・ジョンウン)委員長を「独裁者」と批判し、国際社会で結束し北朝鮮への圧力強化を呼びかけた。

国連総会で一般討論演説する安倍首相(20日、ニューヨークの国連本部)=AP

 首相は北朝鮮が開発している核兵器について「(爆発力の大きい)水爆になったか、なろうとしている」と分析。核兵器を搭載する弾道ミサイルは「早晩、大陸間弾道ミサイル(ICBM)になるだろう」と述べた。北朝鮮の核開発で「核不拡散体制は深刻な打撃を受けようとしている」と懸念を示した。

 首相は国際社会が1990年代前半や2000年代、北朝鮮との対話を探り、経済支援に踏み切ったものの、核・ミサイル開発を阻止できなかったことを問題視。北朝鮮は「核・ミサイルの開発を諦めるつもりなど、まるで持ち合わせていなかった」と振り返り、国際社会との対話は「我々を欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」と指摘した。

 北朝鮮の対応に関して「必要なのは対話ではない。圧力だ」と強調。「全ての核・弾道ミサイル計画を、完全、検証可能かつ不可逆的な方法で放棄させなくてはいけない」と話し、めざすのは核開発の凍結ではなく、あくまでも非核化だと訴えた。米国が軍事行動を含む全ての選択肢を検討していることを「一貫して支持する」とも語った。

 国連安全保障理事会が11日に採択した北朝鮮への石油輸出に上限を設ける追加制裁決議については「多とする」と評価しつつも「始まりにすぎない」と表明。北朝鮮の核・ミサイル開発に必要な資金や物資が流入するのを防ぐため、全ての加盟国に「厳格かつ全面的な履行を確保する」よう呼びかけた。

 北朝鮮による日本人拉致問題にも言及。1977年に拉致された横田めぐみさん(当時13歳)を挙げ「彼らが1日も早く祖国の土を踏み、父や母、家族と抱き合うことができる日が来るよう全力を尽くしていく」と話した。トランプ米大統領が19日の一般討論演説で、横田さんら日本人拉致問題を取りあげたのに呼応したとみられる。

 首相は北朝鮮について勤勉な労働力や地下資源を活用すれば「明るい未来がある」と語った。「拉致、核、ミサイル問題の解決なしに、人類全体の脅威となることで開ける未来などあろうはずはない」と力説。北朝鮮が核・ミサイル開発を見直すよう、国際社会の結束を固めるべきだと提起した。

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