2016年、世界は史上最も暑かった 米発表
【ワシントン=川合智之】2016年は観測史上最も暑い年だったことが分かった。米航空宇宙局(NASA)と米海洋大気局(NOAA)が18日発表した。14年、15年に続き、3年連続で「最も暑い年」を更新した。NASAは声明で「毎年記録を更新するとは想像していなかったが、長期的に温暖化が進んでいるのは明らかだ」と表明した。
世界の平均気温はセ氏14.83度と昨年を0.04度上回り、記録の残る1880年以来最高となった。北極の海氷も1千万平方キロメートルと史上最小だった。世界の測候所や海上観測点6300カ所で測定した。
地球の気温は19世紀後半に比べて1.1度上昇し、二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの排出増が要因という。南米ペルー沖で海面の水温が上がるエルニーニョ現象による異常気象も、昨年の気温上昇を後押ししたとみられる。
一方、トランプ次期米大統領は温暖化について「中国のでっちあげだ」と人為的影響を否定している。2020年以降の温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を主張し、米環境保護局(EPA)長官に温暖化懐疑派のスコット・プルイット州司法長官を指名した。