物言う投資家ペルツ氏、P&Gと委任状争奪戦へ
【ニューヨーク=河内真帆】米国の物言う投資家であるネルソン・ペルツ氏は17日、日用品プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)に役員会の議席を要求する委任状争奪戦を宣言した。P&Gは10月10日に株主総会を控えている。同氏はデュポン、ゼネラル・エレクトリック(GE)など大企業に委任状争奪戦をしかけ、揺さぶりをかけることで有名。
ペルツ氏が主宰するトライアン・ファンド・マネジメントを通じて申し入れた。P&Gは2012年に導入した10年間の総額100億ドル(約1兆1260億円)のリストラ計画で、ブランドの一部売却・廃止、工場閉鎖、人員削減をしたにもかかわらず株価に反映できなかったと指摘。直近の追加のコスト削減計画の実効性に疑問を投げかけた。役員会に議席を獲得することで、投資家利益の向上に向けて主導権を取りたいと表明した。
これに対しP&Gは「過去2年間で創業以来最も重大なブランド変革を行い、非常に効率性の高い企業に生まれ変わった」と反論。さらに「(ペルツ氏は)新たにコスト削減を進める具体的な案を提示していない」と批判し、要求を拒否する姿勢を示した。