9割が相場に勝てず、米アクティブ運用ファンド S&P調べ
【ニューヨーク=伴百江】アクティブ運用ファンドの9割が相場に勝てず――。S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズは15日、米国の投資信託の2016年上半期の株式ファンドの運用成績を発表し、こんな結果を明らかにした。大型株、中型株、小型株で運用するそれぞれのファンドの総収益率は、6月末までの1、5、10年間に9割のファンドがS&P500種株価指数、400種、600種の指数の総収益率を下回った。
6月末までの1年間に大型株のアクティブ運用ファンドは85%がS&P500種の総収益率を下回った。5年間では92%、10年間では85%のファンドが指数を下回った。同じような傾向が中型株、小型株のアクティブ運用ファンドでも明らかになった。
株式相場が比較的堅調な相場環境では、わざわざ高い運用手数料を払ってアクティブ運用のファンドに投資するよりも、手数料の低いインデックス・ファンドに投資すれば相場並みの収益を確保できる。
アクティブ運用ファンドの運用成績不振を受け、これらの株式投信からインデックス投信やインデックスに連動する上場投信(ETF)への資金流出が目立っている。アクティブ運用ファンドは、よほどの高い運用成績を確保できなければ投資家離れにつながるだけに、運用担当者にとって大きな試練になっている。