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イエレン議長の強気、阻むCPIショック

米連邦準備理事会(FRB)は14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で2017年で2度目となる政策金利の引き上げを決定した。「サプライズは少ない」(JPモルガン)結果に終わった。緩和的な金融政策の継続が意識されダウ工業株30種平均は最高値を更新。しかし米金利は朝方公表された消費者物価指数(CPI)の低迷により急低下(債券価格は上昇)。その低下分を取り戻さずに14日の取引を終えた。

声明文の公表直前には前日比でおよそ15ドル高で推移していたダウ平均。公表後には一時前日比で約50ドル高まで上昇した。6月の利上げを決め18年、19年の利上げ見通しに変化が無かったことでゴールドマン・サックスなど金融株に買いが先行しダウ平均を押し上げた。

イエレン議長の会見が始まると金融株以外がやや弱含み、ダウ平均は一時マイナス圏で推移した。取引時間の終盤にかけて再びダウ平均を押し上げたのは通信大手のベライゾンを初めとした緩和的な金融政策が追い風となる銘柄の買いだった。

結果としては6月利上げを実現させ、資産圧縮の具体的な道筋を示し「全速力で目標に向かっている」(バークレイズ)姿勢を示したFOMCだった。

しかし「この日の主役はFOMCではなかったかも」との声も漏れた。

朝方公表された5月の米消費者物価指数(CPI)は前月比で0.1%のマイナスとなった。市場予想はほぼ横ばいだったが、前月比でのマイナスは3月分に続き、今年すでに2度目。この結果を受けて米2年債利回りは急落(価格は上昇)しおよそ1年ぶりの下げ幅となった。

米報道によるとFOMCの2日目は、予定されていた14日午前9時に始まった。CPIの公表はその30分前だ。

2日間あるFOMCでは、ほぼ1日目で議論を尽くす。ルール上は2日目の会議が始まるまで各FOMCメンバーが持ち寄る経済見通しのドットチャートを変更できるが、このCPIの結果はFOMC声明文や経済見通しに十分に織り込まれてはいなそうだ。

イエレン議長は会見でこの日のCPIに言及し「多くの分野で弱さを示した」と認めつつ「過剰反応しないことが重要」ともクギを指した。しかし、市場はインフレ圧力の低下を織り込んだ。

米2年物国債利回りはCPI公表前からの低下した分をFOMCを経て7割程度戻したが、10年物国債利回りはCPI後に低下した分の半分程度しか戻せなかった。利上げしたにもかかわらず、結果的に金融環境は緩んだままだ。

FRBは年内あと1回の追加利上げを目標を変更しなかった。しかし先物市場が織り込むその確率は5割を切っている。

(ニューヨーク=山下晃)

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