米次期通商代表、農業分野「日本が第一の標的」

2017/3/15 7:07
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 【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領が米通商代表部(USTR)代表に指名したライトハイザー氏は14日、米上院委員会の承認公聴会で「農業分野の市場拡大は、日本が第一の標的になる」と主張した。環太平洋経済連携協定(TPP)離脱後の政策方針を答えたもので、米国が今後の対日協議で自由貿易協定(FTA)を求めていく姿勢が鮮明になった。

ライトハイザー氏=AP
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ライトハイザー氏=AP

 ライトハイザー氏は1980年代のレーガン政権下でUSTR次席代表に就き、その後は鉄鋼業界の顧問弁護士などを歴任してきた。80年代には対日鉄鋼協議で日本に輸出の自主規制をのませた実績があり、トランプ大統領が同氏の対外交渉力を高く評価している。

 14日の公聴会でライトハイザー氏は「日本が第一の標的になる」と強い言葉遣いで、農産物の市場開放に向けた対日交渉に意欲をみせた。米国はTPPからの離脱を決め、対日貿易では食肉や果物などの関税引き下げが実現できなくなった。ライトハイザー氏は公聴会で、TPP参加国と2国間で通商協議する意向を示したうえで「TPP交渉を上回る合意を目指す」とも主張した。

 日米は麻生太郎副総理・財務相とペンス米副大統領による日米経済対話を4月に始める予定で、通商分野も議題となる。米政権内でもUSTRは伝統的に日本の農産品の高関税を問題視しており、強硬的な交渉姿勢で知られるライトハイザー氏がUSTR代表に就任すれば、日本側の警戒感が一段と高まりそうだ。

 ライトハイザー氏は「トランプ大統領の米国第一の通商政策に同意する」と述べた。そのうえで「我々は極めて厳格に法執行していく」と主張し、安値で鉄鋼などを輸出する中国を名指しして、反ダンピング(不当廉売)関税などの措置で対抗する考えを示した。

 トランプ政権が最優先課題としている北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉は「できるだけ早く合意にこぎ着ける」と述べた。「優先するのは製造業だ」とも指摘し、メキシコに雇用や生産拠点が流出する工業分野を中心に交渉する方針を示した。

 上院は多数派の共和党だけでなく、野党・民主党も保護主義的な通商政策を支持しており、ライトハイザー氏は近く就任が承認される見込みだ。トランプ政権は商務長官に就いたロス氏がNAFTA再交渉を主導する一方で、ホワイトハウス内に新設した「国家通商会議」ではナバロ委員長が日本やドイツとの交渉を主張している。ライトハイザー氏は対外交渉を担うとともに、ロス、ナバロ両氏をつなぐ実務家としても力を発揮していくことになりそうだ。

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