FRB、金融正常化へ一歩 利上げ凍結から1年

2016/12/15 4:10
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【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)が昨年12月以来、1年ぶりの利上げに踏み切った。中国発の世界同時株安や英国の欧州連合(EU)離脱決定、米大統領選でのトランプ氏勝利など、市場の混乱が相次ぎ、利上げシナリオは異例の凍結が続いた。超低金利政策から「金融政策の正常化」に向けて再び一歩を踏み出す。

14日、利上げ発表後に記者会見するイエレンFRB議長(ワシントン)=ロイター

FRBは前回の利上げ局面(04~06年)では17会合連続で利上げを決定し、わずか2年で政策金利を1%から5.25%まで引き上げた。今回は0.25~0.50%という超低金利のまま、1年も追加利上げを見送り「緩和的な環境」(イエレン議長)を据え置いてきた。

FRBは当初は16年中に4回の利上げを見込んでいた。ただ、利上げ直後の今年1月には中国発の世界同時株安が発生。利上げペースの減速を早々に宣言した。その後も英国のEU離脱決定、米大統領選と続き、FRBは「利上げの条件は整ってきた」(イエレン議長)と言いつつも、長く様子見を余儀なくされた。

FRBは17年中に3回、18年には3回の利上げを見込み、政策金利を徐々に引き上げていく考えだ。イエレン氏は利上げプロセスを「金融政策の正常化」と呼ぶが、そこにはFRBが金利を上げ下げして景気を差配する「伝統的金融政策」を取り戻したいという考えが透けて見える。

「1965年から2000年まで、政策金利は平均7%以上あった」。イエレン氏は8月にワイオミング州で開いた国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で、そう指摘した。戦後の景気後退局面をみると、FRBの利下げ幅は平均5.5%もあり、その強烈な景気刺激効果がFRBのパワーの源泉だった。

ただ、今では米経済の成長鈍化によって政策金利の「天井」が下がり、最大でも3%程度までしか引き上げられないとFRBは分析する。再び利上げ路線を歩み出したものの、金融政策のダイナミズムを取り戻すのは簡単ではない。

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