米アップル、腕時計型端末を発表 大画面iPhoneも
【シリコンバレー=小川義也】米アップルは9日、腕時計型のウエアラブル端末「アップルウオッチ」3モデルと、スマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)」の新型2モデルを発表した。アップルが新分野の製品を発表するのは2010年のタブレット「iPad(アイパッド)」以来4年ぶり。腕時計型端末は韓国サムスン電子やソニーなどが先行しているが、デザインや機能で「アップルらしさ」を前面に打ち出して追い上げる。
新型iPhoneは日米などで19日に発売。アップルウオッチは2015年初めに発売する。
カリフォルニア州クパティーノ市内で開いた発表会で、ティム・クック最高経営責任者(CEO)はアップルウオッチについて、「人々が『腕時計』に期待するものを再定義する」と強調した。
アップルウオッチは基本モデルに加え、「スポーツ」「エディション」の3モデル。画面サイズは大小2種類を用意した。指で押した圧力も感知する新型タッチスクリーンには、基本モデルとエディションで傷のつきにくいサファイアガラスを採用。ケースには基本モデルがステンレススチール、スポーツはアルミニウム、エディションは18金を採用した。米国での価格は349ドルから。
アップルウオッチはiPhoneとの併用が前提で、「5」以降のiPhoneに対応する。音声を認識する人工知能「Siri(シリ)」を利用してメッセージを送ったり、内蔵したセンサーで運動量や心拍数などフィットネスデータを集めたりすることができる。
外部の企業がアップルウオッチに対応したサービスを開発するためのソフトウエア「ウオッチキット」も発表。かざすだけでホテルの部屋のドアを開けられる米スターウッド・ホテルズのサービスや、電気自動車(EV)の充電状況などを確認できる独BMWのサービスなどを紹介した。
新型iPhoneは画面サイズが4.7型の「6」と5.5型の「6プラス」の2種類をそろえ、現行モデル(4型)より大型化した。価格は「6」が199ドルから、「6プラス」が299ドルから(いずれも2年契約の場合)。
機種名 | iPhone5s | iPhone6 | iPhone6 プラス | ギャラクシーS5 | ギャラクシーノート4 |
基本ソフト | iOS 7 | iOS 8 | iOS 8 | アンドロイド4.4 | アンドロイド4.4 |
本体サイズ(ミリメートル) | 123.8x58.6x7.6 | 138.1x67x6.9 | 158.1x77.8x7.1 | 142.0x72.5x8.1 | 153.5x78.6x8.5 |
重さ(グラム) | 112 | 129 | 172 | 145 | 176 |
画面 | 4型、レティーナ液晶 | 4.7型、レティーナ液晶 | 5.5型、レティーナ液晶 | 5.1型、有機EL | 5.7型、有機EL |
背面カメラ(画素) | 800万 | 800万 | 800万 | 1600万 | 1600万 |
米国販売価格(16ギガバイト、2年契約時) | 99ドル | 199ドル | 299ドル | 199ドル | 未定 |
独自のモバイル決済サービス「アップルペイ」も同時に発表した。近距離無線通信規格「NFC」に対応した新型iPhoneとアップルウオッチを店頭の決済端末にかさずだけで支払いができる。iPhoneに搭載された指紋認証機能「タッチID」などを活用することでセキュリティーを高めた。
まず米国で10月からサービスを始める。ビザ・インターナショナル、マスターカード、アメリカン・エキスプレスのクレジットカード大手3社や、米銀大手5行などと提携。マクドナルドやメイシーズなど全米22万店舗で利用できる。
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