メラニア夫人のドレスはだれが? 米デザイナー賛否二分

2016/12/10 3:06
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【ニューヨーク=河内真帆】来年1月20日の大統領就任式を前に、メラニア・トランプ夫人が今後公用で着用するドレスを巡り、頼まれたら「イエス」と答えるか「ノー」と答えるかでデザイナー業界の意見が割れている。トランプ次期大統領への好き嫌いが明確に分かれている世論を映した形だが、ブランドイメージや販売への影響を見極める必要もありそうだ。

勝利宣言の際はラルフ・ローレン氏がデザインした白いジャンプスーツで登壇(写真中央)=AP

勝利宣言の際はラルフ・ローレン氏がデザインした白いジャンプスーツで登壇(写真中央)=AP

イエス派の筆頭格は米ファッションデザイナー協議会のダイアン・フォン・ファステンバーグ議長。「トランプ氏は次の大統領に選ばれた。メラニア夫人はこれまでのファーストレディーと同等の尊敬を受けるにふさわしい。ファッション業界は、美と一体感と多様性をプロモートすべきだ」とする"模範解答"を業界紙WWDに寄せた。

トミー・ヒルフィガー氏も「メラニア夫人は大変美しい。どのデザイナーも彼女に着せることを誇りに思うべきだ」と語る。ミシェル・オバマ大統領夫人が2013年の就任式で着用したジャカード織りのコートで全米に名をはせたトム・ブラウン氏は「米国のファースト・レディーへの敬意からデザインを検討してもらうことは大変光栄なことだ」と秋波を送る。

一方、ノー派の急先鋒(せんぽう)は元グッチのデザイナー、トム・フォード氏だ。「何年か前にメラニア夫人にドレスを頼まれたが断った。彼女は僕のイメージにあわない。僕は民主党員でヒラリーに投票したという個人的なことは別にしてもね」とテレビのインタビューでこう話した。

先鋭的なデザインで米国ファッション界を代表するマーク・ジェイコブス氏も「メラニア夫人には興味がない。(ファッションとは別に)個人的にはトランプ氏とその支持者に被害を受けている人の支援にエネルギーを傾けたい」と手厳しい。

真摯な心情を吐露するのはデレク・ラム氏。「新しいファースト・レディーをドレスアップするのはとてもきついのが本音だ。自分の創作エネルギーは正義や公正、互いに尊敬できる世の中に向けて注ぎたい」と話す。

スロベニア出身、モデルとして渡米した=AP

スロベニア出身、モデルとして渡米した=AP

メラニア夫人は旧ユーゴスラビアのスロベニア出身。ファッションモデルとして米国に渡ってきた。メトロポリタン美術館の年1回のガラ・パーティーの常連で、アレクサンダー・マックイーン、バレンチノ、マノロ、ルブタンと毎回高級デザイナー用品に身を包み参加することで有名だ。

05年2月号のファッション誌ヴォーグでは、同年1月にトランプ氏との結婚式で着用したクリスチャン・ディオールのウエディングドレス(推定10万ドル)をまとった姿で表紙を飾っていた。

大統領夫人のファッションは、ジャクリーン・ケネディ夫人が1960年代初頭に世界的に認知度を高めた。公職にありがちなセンスの乏しい仕立て服ではなく、本人の趣味のよさで「ジャッキー・ルック」という名称も確立。小さな四角形の帽子、スカーフ、ロンググローブといった小物類と、Aラインのワンピースなどを組み合わせて着用し、欧州ブランドから米国人デザイナーまで多彩に着こなした。

それからほぼ半世紀。ミシェル・オバマ夫人が米国人の若手デザイナーによる服を公の場で披露するなど、ファッショナブルなファースト・レディーとなったことで、ジャッキー(ジャクリーン・ケネディ夫人の愛称)人気をよみがえらせたともいえる。

メラニア夫人はトランプ氏が大統領選で勝利宣言した際には、著名デザイナーのラルフ・ローレン氏がデザインした真っ白なジャンプスーツを着て登壇していた。「数カ月もすれば、みなメラニア夫人にドレスを着せることになるだろう。彼女はなんといっても米国を代表することになるのだから」。社交界御用達デザイナーのキャロリーナ・ヘレラ氏はこう話しているが……。

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