ノーベル賞受賞の中村教授「米研究者には自由がある」

【サンタバーバラ=小川義也】青色発光ダイオード(LED)の開発で2014年のノーベル物理学賞に決まった米カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)の中村修二教授は7日、大学で記者会見し、LEDの現状について、「光源の少ない発展途上国でも人気があり、灯油に比べても安い」などと意義を語った。
会見には日米の報道陣や学生ら200人以上が詰めかけた。研究を続けるために国外に出て行く日本の研究者が多い理由を問われた中村氏は、「米国の研究者にはたくさんの自由があるが、日本には本当の自由がない」と指摘。多様な人材の活用や研究成果の海外展開などで、日本企業がグローバル化を急ぐ必要性を訴えた。
困難な目標に向かって研究を続けてきた原動力について、中村氏は「人によって違うが、私の場合は怒りだった」と指摘した。かつて勤めていた日亜化学工業と訴訟になった経緯に触れ、「怒りを仕事へのプラスのエネルギーに転換する」ことで困難を乗り越えてきたと述べた。