米商務長官「対日赤字、耐えられぬ」 麻生氏は不快感

2017/5/5 6:23 (2017/5/5 19:47更新)
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【ワシントン=河浪武史】米商務省は4日、3月の貿易統計で対日貿易赤字が前月比33%増えたことで「米国はこの膨張した貿易赤字にもはや耐えられない」とするロス商務長官の声明を発表した。自由貿易協定(FTA)を含めた日本との2国間協議を促す異例のけん制だといえる。

米商務省は「耐えがたい水準に達したメキシコや日本との貿易赤字」と題した声明を発表。対日貿易赤字は2月から3月にかけて「16億ドル増えた」と指摘した。3月の対日貿易赤字(季節調整済み)は64億9200万ドルで、2月の48億8千万ドルから33%増え、国別では中国、メキシコに次ぐ3番目の大きさだった。

声明はロス長官のコメントとして「トランプ政権は一方的な貿易関係から、米労働者と企業を守ると約束している」とした。ただ単月の貿易統計は為替の変動などで数値の増減が激しい。2月の対日貿易赤字は前月比11.6%減で、3月は反動増の側面も大きい。1~3月期の対日貿易赤字は2016年10~12月期に比べ7.7%縮小した。

麻生太郎副総理・財務相は5日、「直接聞いた話とちょっと違う」と不快感を示した。アジア開発銀行(ADB)総会が開かれている横浜市で記者団に答えた。麻生氏は1日(日本時間2日)に米ロサンゼルスで講演した際にロス長官と面会。その際は「その種の話はなかった」という。

米国の貿易赤字の約半分は中国だが、今回は「対中赤字は改善している」と批判を避けた。3月の対中赤字が前月比1.1%減ったためだが、2月は5.3%増で、四半期ベースでも1~3月期は前期比6.7%増。トランプ大統領は北朝鮮問題で中国との協力を探り、貿易問題を一時棚上げする考えも示している。

3月は対メキシコ貿易でも赤字額が前月比5.9%増えており、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を控える同国にも厳しい批判のコメントを突き付けた。貿易赤字削減を優先課題とするトランプ政権だが、相手国に応じて姿勢の違いが鮮明になってきた。

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