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イラク軍、「イスラム国」からティクリート奪還

首相が声明

【カイロ=押野真也】イラクのアバディ首相は31日、過激派「イスラム国」(IS=Islamic State)が占拠していた北部の要衝ティクリートをイラク軍が奪還したと発表した。同じくISが実効支配するイラク第2の都市モスルを取り戻すうえで重要な戦果となる。一時は首都バグダッドにまで迫る勢いだったISが、米軍などの空爆を受け劣勢に転じている状況が浮き彫りとなった。

国営メディアはティクリート中心部からISの戦闘員が排除され、行政庁舎などにイラクの国旗がはためき、市民が歓喜の声をあげていると報じている。

米軍は3月下旬になってイラク軍地上部隊を支援する目的でティクリートへの空爆を行うと発表した。奪還作戦にはイラク軍に加えイスラム教シーア派の民兵も参加。隣国のイランが作戦の立案や武器供与で支援した。

イラク国営メディアによると、イラク軍はティクリート中心部を占拠していたISの狙撃兵を含む戦闘員40人以上を殺害した。ISの戦闘員の一部は敗走したもようだ。アバディ首相は「ティクリート全体を解放した」と述べた。

ティクリートは首都のバグダッドとモスルの中間に位置する。当面の最大の軍事目標であるモスル奪還を実現するうえでティクリートの制圧は不可欠とされた。

ティクリートはフセイン元大統領の出身地として知られスンニ派の住民が多い。イラク戦争に伴うフセイン政権の崩壊後、冷遇された住民の一部はシーア派主導の政権に不満をくすぶらせていた。ISに合流した住民も多いとみられている。しかし、今回のイラク軍のティクリート奪還作戦では住民もこれを支援した可能性が高い。スンニ派の過激派であるISを同じ宗派の住民が多数を占める地域から追い出した意義は大きい。

ISはモスルを拠点にイラク各地でテロや略奪行為を行ってきた。モスルの銀行から略奪した現金がISの重要な資金源となった。モスルはイラクの重要な油田地帯でもある。

米国はモスル奪還作戦を念頭にイラク兵の訓練などで、情報機関員や特殊部隊などを派遣したもようだ。米中央軍の当局者は当初、イラク軍とクルド自治政府の部隊によるモスル奪還作戦を4月か5月にも始めるとの見通しを示していたが、イラク軍の兵士や民兵に対する訓練や兵器の調達に時間がかかっているとされる。モスルの攻略には米軍や有志連合の地上部隊の派遣が不可欠との指摘は多い。

ISは1月にもトルコ国境に近いシリア北部の要衝の町アインアルアラブ(クルド語名はコバニ)をクルド民兵の攻撃を受け失った。軍事的な劣勢が強まるなか、存在を誇示するため、各地でテロ活動を活発にする恐れもある。

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