米、NATOに「適正負担を」 国務長官が外相理事会参加

2017/4/1 0:07
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【ブリュッセル=森本学】北大西洋条約機構(NATO)は31日、ブリュッセルの本部で外相理事会を開き、ティラーソン米国務長官が就任後初めて出席した。すべての加盟国に対して、国防費を国内総生産(GDP)の2%以上とする目標の2024年までの達成に向けた国ごとの具体的な計画を策定するよう要請。欧州側が「応分の負担」を負っていないと批判するトランプ米大統領の主張に沿った格好だ。

外相理事会は5月25日にブリュッセルで開き、トランプ米大統領が初めて参加するNATO首脳会議の準備会合の位置づけ。米国務省によると、トランプ氏は首脳会議の中心議題として(1)NATO加盟国の国防費の拡大(2)テロとの戦いにおけるNATOの役割強化――の2つを掲げる。NATOのストルテンベルグ事務総長も31日の記者会見で、この2つが「首脳会議での重要議題だ」と足並みをそろえた。

加盟国の総国防費の約7割を占める米国からは欧州の米国頼みの構図に、「米国の納税者は不均衡な負担を続けられない」(マティス国防長官)と不満が広がる。「応分な負担」の実現に向けて、NATO加盟国が14年に英国で開いた首脳会議で一致した2つの約束の達成加速を求めている。

ひとつはすべての加盟国が24年までに国防費をGDP比で2%以上に引き上げる約束。16年時点で達成したのは米国、英国、エストニア、ポーランド、ギリシャの5カ国にとどまる。もうひとつは国防費のうち20%以上を、人件費などを除いた装備品の購入や研究開発など能力強化に充てるとの約束だ。

米国務省高官は「2%」と「20%」という国防費に関する2つの約束が「トランプ大統領にとって極めて重要な重要な目標だ」と指摘する。ティラーソン長官は外相理事会で加盟国に対して、2つの目標を24年までに確実に達成するための道筋を明確に描いた「信頼できる計画」を策定するよう求める。

ストルテンベルグ事務総長は31日、国別の計画では「国防費支出増と(装備品購入など)能力強化、NATOの作戦への参加などが盛り込まれる必要がある」と語った。

理事会では、ロシアの脅威に直面するバルト3国やポーランドを中心にくすぶる、NATOの集団防衛に対する米国の関与低下への不安解消も改めて焦点となる。

大統領就任前にNATOを「時代遅れ」と繰り返し批判したトランプ氏も、就任後は「強く支持する」と姿勢を転換し、欧州側の不安も解消しつつあった。しかし今回の外相理事会を巡って、ティラーソン氏が米中首脳会談への参加を優先して欠席する意向だったことが表面化。トランプ政権の「NATO軽視」への懸念が再燃していた。

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