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ブラジル、景気後退続く 4~6月GDP3.8%減

【サンパウロ=宮本英威】ブラジル地理統計院が31日発表した2016年4~6月期の国内総生産(GDP)は、前年同期比で3.8%減となった。マイナス成長は9四半期連続。雇用の悪化による消費や投資の低迷が響いた。弾劾裁判でルセフ大統領が罷免された場合、後任に就くテメル副大統領は財政規律を重視する姿勢で、歳出削減によって景気回復が遅れると不安の声もある。

4~6月のGDPは前期比では0.6%減となった。前期比のマイナスは6四半期連続で、景気後退局面が続いている。16年通年の実質経済成長率はマイナス3%強と、2年連続のマイナス成長となる公算が大きい。

4~6月のGDPで、家計消費は前年同期比で5%減った。景気後退で企業はリストラを進めている。5~7月の失業率は11.6%と、現行の統計を取り始めた12年以降で最悪の水準だ。自動車メーカーの従業員数は7月時点で12万6800人と、1年間で7%減った。

消費者は低価格帯の商品への志向を強めており、嗜好品の支出を抑えている。所得のうち債務の返済に振り向けている比率は足元で55.4%と、14年(26.5%)から大幅に上昇していることも響く。

設備投資など固定資本形成は前年同期比で8.8%減だった。政府の歳出抑制に加え、資源安に直面して資源大手ヴァーレや国営石油会社ペトロブラスといった有力企業が事業売却を進めており、軒並み投資を絞っている。

ある外国企業のブラジル法人は売上高が減少しているのに加えて取引先が相次いで倒産するなど厳しい経営環境で、財務基盤を安定させることが最優先課題となっている。同社の幹部は「本社に現地法人の増資を依頼した。投資に動ける状況ではない」と明かす。

ルセフ氏が罷免されると大統領職を引き継ぐテメル氏は、経済再建に力を入れる意向を示している。元中央銀行総裁で国際的に知名度が高いメイレレス氏を財務相に起用し、財政と税制の改革を推し進める考えだ。手厚い社会保障制度にも切り込もうとしている。

金融市場は一連の改革の方向性を評価しており、株価や通貨の上昇につながってきた。ただルセフ氏が所属する労働党支持層の低所得者層らの反発を受けかねないため、改革は容易には進まない可能性もある。

短期的に見ると、歳出削減がただでさえ苦しい経済を一段と下押ししかねないリスクもはらむ。トップが交代しても、政治・経済ともに簡単には立ち直る状況とは言えない。

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