中国、株取引を一部制限 米ファンドなど24口座停止

2015/7/31付
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【上海=土居倫之】中国の上海と深圳の両証券取引所は31日、米ヘッジファンド、シタデル・インベストメント・グループ(本社シカゴ)の子会社を含む24社・個人の証券口座について、これらを通じた売買を同日から3カ月間停止すると発表した。同じ日には浙江省の検察当局が違法な先物取引を提供した疑いで7人を逮捕したと発表した。市場安定に向けた株価対策で、中国政府側の姿勢が一段と強硬になってきた。

売買停止の処分を受けたのはシタデルが上海に設立した「司度(上海)貿易」など24社・個人にのぼる。シタデルのほかは上海新方程股権投資管理など中国系の運用会社などだった。両取引所は今回の処分の理由について「異常な取引があったため」としている。24社・個人による短期売買が最近の相場乱高下につながったと判断した。

シタデルは事前に設定したコンピューターのプログラムに従い、1秒間に数千回の売買注文を出して細かいサヤを取る超高速取引(HFT=ハイ・フリークエンシー・トレーディング)という手法を得意とする。約250億ドル(約3兆円)の資産を運用する大手ファンドで、米連邦準備理事会(FRB)のベン・バーナンキ前議長がシニアアドバイザーを務める。

中国の証券監督管理委員会は処分対象の24口座について、株式売買の発注と取り消しを繰り返して株価を動かしただけでなく「ほかの投資家の判断にも悪い影響を与えた」と指摘した。同委員会は両取引所の発表前に24口座を通じた売買の制限を発表していた。今回の局面で証券当局が特定の証券口座の売買を禁止するのはこれが初めてだ。

27日の上海株式市場では株価指標の上海総合指数が前週末比8.48%下落した。1日の下落幅ではほぼ8年5カ月ぶりの大きさとなった。証券監督管理委員会は「27日の集中的な株式の売却について調査を進めている」と表明していた。これに24口座の処分が関係しているとの観測もある。

シタデルが展開するようなコンピューター取引は自動売買だ。価格差に着目して値ざやを稼ぐ裁定取引のほか、相場全体の方向に追随して売買する手法もある。事前に設けたプログラムの内容によっては相場の変動を加速させることがある。

中国は以前から資本取引を規制し、株式市場での外国人の売買を規制している。売買の6~8割が個人投資家で、機関投資家の育成が遅れ、株式や先物の価格にゆがみが生じやすい。不健全な状態だが、シタデルのようなヘッジファンドにとってはかえって収益機会が広がっていたようだ。

一方、浙江省温州市の龍湾区人民検察院は31日、保証金に対して100倍の売買ができる違法な先物取引を提供していたとして、7人を逮捕したと発表した。投資家から計約32億元(約640億円)を集めていたという。中国では当局が、株価指数や商品を対象とする違法な先物が相場の変動幅を拡大させているとして、問題視している。

すでに公安省が「悪意のある空売り」を取り締まるとの名目で、上海市内の貿易会社を調査したことを明らかにした。

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