2019年6月25日(火)

米スリーマイル島原発閉鎖へ 電力価格下落で採算悪化

2017/5/31 9:32
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【ニューヨーク=稲井創一】1979年に米国史上最悪の原発事故が起きたスリーマイル島原子力発電所(ペンシルベニア州)が2019年9月末までに閉鎖する。発電用エネルギーとしてシェールガスが台頭し、電力価格が下落。設備の老朽化も進み同発電所の採算が悪化していた。米原発大手ウエスチングハウス(WH)が経営破綻するなど、米国の原発産業は厳しい状況が続く。

スリーマイル原発と、1979年の事故を告げる看板(2011年、ペンシルバニア州ミドルトン)=ロイター

スリーマイル島原発を運営する米電力大手エクセロンが30日、同原発の1号機の閉鎖方針を発表した。国際原子力事象評価尺度(INES)でレベル5の過酷事故(福島第1原発事故は最も深刻なレベル7)を起こした2号機は既に廃炉となっており、今回の決定で同原発自体が閉鎖することになる。

2号機の事故後も1号機は運転を継続していたが、2010年以降、本格化したシェール革命で割安な天然ガスが発電用燃料として普及。電力価格も下落した。原子炉が1基しか稼働していないスリーマイル島原発は規模のメリットも働かず採算が厳しい状況が続き、このところ赤字が続いていた。

スリーマイル島事故を機に米国内では原発の新規建設が止まり、米国で原発建設の技術やノウハウが失われた。約40年ぶりに新規原発稼働を目指したWHは大幅な工期の遅れに直面し、経営破綻につながっていた。

さらに同事故を機に米国で原発の設備更新も途絶えたことで、ここ数年の原発コストは上昇。技術革新を遂げた天然ガスや再生エネルギーの追随を許した。今年1月にはニューヨーク州の原発2基の閉鎖が発表されるなど、全米で原発の廃炉が相次いでいる。

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