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欧米の不信感払拭が課題 ブラッターFIFA会長

【ジュネーブ=原克彦】国際サッカー連盟(FIFA)のブラッター会長が会長選挙で5選を果たした。30日にチューリヒで記者会見した同会長は、幹部らが一斉に起訴された汚職事件について捜査当局からの接触は一切ないと明言したうえで「自分は(逮捕される)心配がない」と強調した。ただ、広告収入の大半を依存する欧米の多国籍企業からの批判は高まっており、同会長が安定的な運営を続けられるかは不透明だ。

欧州サッカー連盟(UEFA)がワールドカップ(W杯)のボイコットを協議するなど、ブラッター体制は揺らいでいる。会見で同氏は「今朝の会合にはUEFAの会長もいた。最大の収入源で最高の競技であるW杯を守ると決定した」と語り、不安払拭に努めた。

ただ収入の3割近くを占める広告収入のほとんどを、欧米企業に依存する事情もある。「公式パートナー」の米ビザは事態が改善しなければ契約を再検討すると表明。ブラッター氏は既に企業への事情説明に努めてきたと説明し、FIFAの信頼回復を図りつつ「個人的に企業を訪問するつもりだ」と述べた。

その一方、同会長はスイス公共放送のインタビューで米司法省による起訴について「何かが臭う」と総会直前の逮捕劇に不満を漏らした。「米国は(対立候補アリ王子の母国)ヨルダンの主要スポンサーだ」とも語り、政治的な意図があったとの見方を示唆した。こうした発言がかえって和解を遠ざける懸念もある。

英国のキャメロン首相が「辞任は早いほうがいい」とブラッター氏に退陣を求めたのに対し、ロシアのプーチン大統領は会長に再選を祝う電報を送った。国家間の対立までを背負う代理戦争の舞台になれば、汚職撲滅というブラッター会長の本来の重責がおろそかになりかねない。

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