2018年11月16日(金)

GE、ソフト事業1.8兆円に 20年までに売上高3倍
金融事業からの撤退補う

2015/9/30付
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【サンフランシスコ=稲井創一】米ゼネラル・エレクトリック(GE)は29日、ソフトウエア事業の売上高を2020年までに15年見通しの3倍の150億ドル(約1兆8000億円)以上に引き上げる方針を示した。本業の製造業の強化で培ったソフト技術を、成長余地の大きいモノのインターネット化(IoT)ビジネスに本格展開する。収益性の高い金融事業から実質的に撤退する利益面での影響も補う。

イメルトCEOはソフトが製造業の競争力のカギを握ると力説した(9月29日、米サンフランシスコ)

イメルトCEOはソフトが製造業の競争力のカギを握ると力説した(9月29日、米サンフランシスコ)

「5年前に始めた産業分野でのデジタル化の取り組みが成果を上げ始めている」。GEのジェフ・イメルト会長兼最高経営責任者(CEO)は29日、米サンフランシスコで開催したIoT事業の説明会で、産業分野でのデジタル技術活用のメリットを強調した。

ビッグデータ分析の活用が競争力強化のカギとなるとみたGEは、ガスタービンや航空機エンジンなどにセンサーを取り付け、膨大なデータを採集して効率稼働や開発期間短縮につなげてきた。1%の生産性改善を掛け声に、500億円近いコスト削減効果を実現。その過程では、3000人以上のエンジニアを抱える自前のソフトウエア開発拠点を設けるなど、外部のIT(情報技術)企業に頼り切りにならなくてもIoT事業を展開できる体制を整えてきた。

29日の発表会では、外部の企業に対するIoTビジネスを大々的に展開する構想も披露した。16年にも米ボーイングや英石油大手BPなど約2万もの企業と共同でIoT事業を展開する。いずれもGEが製作したソフトウエアをベースにしてシステムを構築するという。パソコン基本ソフト(OS)で業界標準を獲得した米マイクロソフトに似たような強固な地位をGEはIoT分野で狙っているようだ。

「ここにきて産業分野のデジタル化の流れは加速している」(イメルトCEO)。15年に50億ドル以上の売上高を見込むソフト事業は潜在的に年率25%成長できるという。20年までに150億ドルの売上高を見込み世界のソフト企業で10位以内に入ることを目指す。一般的にソフト事業の利益率は製造業よりも高いケースが多いだけに、金融事業撤退の利益面での影響を抑える効果も期待できそうだ。

デジタル事業を統括するビル・ルー氏は「幅広い産業機器を実際に使用する現場を持つだけに使い勝手は良いはず」とIoT分野でのGE製ソフトの優位性を強調する。IoTのソフト分野を巡ってはITの「巨人」米IBMや、「インダストリー4.0」を掲げるドイツの中核企業シーメンスも強化を狙っており、顧客企業の自社陣営の囲い込みも激しくなりそうだ。

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