2018年7月22日(日)

仏、テロ対策強化の憲法改正断念 大統領が表明

2016/3/31 0:41
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 【パリ=竹内康雄】フランスのオランド大統領は30日のテレビ演説で、2015年11月のパリ同時テロを受けて検討していた憲法改正を断念すると表明した。改憲案は、テロ関連の罪を犯した重国籍者から仏国籍を剥奪できる規定などが柱だった。与野党から反対が相次ぎ、成立の見通しが立たないと判断した。

 改憲案は令状なしに被疑者を捜索できるようにするなど、治安当局の権限を強める非常事態宣言を憲法上に位置づけたのも特徴だ。

 だが国籍剥奪の規定には右派の最大野党、共和党が反対したのに加え、大統領が所属する左派の社会党からも「人権にかかわる問題だ」として反対が続出。改正案は2月には社会党が多数の下院で通過したものの、3月には野党が多数派を占める上院で修正が加えられたため、調整が難航していた。

 オランド氏は演説で「反対派の態度を残念に思う」と述べた上で、「この議論を終わらせると決めた」と語った。一方で「テロの脅威は続いており、対策は強化されなければならない」とも主張した。憲法改正とは別の手法でテロ対応を進める考えを示した。

 憲法改正は、17年の大統領選まで1年あまりとなるなか、再選を狙うオランド氏が「強い大統領」を演出する側面もあった。改正の断念でオランド氏への打撃となるのは確実で、求心力の低下は避けられない。

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