2019年2月16日(土)

米財務長官にムニューチン氏 商務長官にロス氏

2016/11/30 10:55
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【ワシントン=河浪武史】トランプ次期米大統領は次期政権の財務長官に、米証券大手ゴールドマン・サックス出身のスティーブン・ムニューチン氏(53)を充てる方針だ。米メディアが29日、一斉に報じた。同氏は選挙戦で財務責任者を務めたトランプ氏の側近で、経済政策の柱である巨額減税やインフラ投資のかじ取りを担う。ただ、公職の経験はなく為替対策などの手腕は未知数だ。

ムニューチン氏(21日、ニューヨークのトランプタワー)=AP

ムニューチン氏(21日、ニューヨークのトランプタワー)=AP

知日派で投資家のウィルバー・ロス氏(79)の商務長官起用も固まった。米メディアは30日にも発表すると報じた。ロス氏は企業再建を得意とする著名投資家で、2000年に幸福銀行(当時)を買収するなど日本でも投資経験がある。日米交流団体の会長を務めるなど知日派であり、日本側にはトランプ政権とのパイプにとの期待もある。

ムニューチン氏はゴールドマンの元パートナーで、その後はヘッジファンドを創設。著名投資家のジョージ・ソロス氏の下で働いたこともあるとされ、ハリウッド映画の資金調達などに携わったこともある。

金融界出身の財務長官としては、クリントン政権のルービン氏、ブッシュ政権のポールソン氏らの例がある。両氏はムニューチン氏と同じゴールドマン出身だが、会長まで務めたルービン、ポールソン両氏と比べ、ムニューチン氏の金融界での実績は乏しい。選挙戦で資金調達を担った"金庫番"としての信頼が厚く、重要閣僚へ登用される方向になった。

ウィルバー・ロス氏

ウィルバー・ロス氏

トランプ氏は連邦法人税率を35%から15%に引き下げ、個人所得税も軽減する大型減税構想を掲げている。ただ、税収減によって財政赤字が大幅に膨らみかねず、予算の決定権を握る議会共和党内には慎重論もある。トランプ氏の公約の柱である巨額減税策をどう実現するかが、次期財務長官の最大の責務となる。

トランプ氏は10年間で1兆ドルという巨額のインフラ投資案も提唱しており、実現には財源の確保が課題となる。ムニューチン氏は「インフラ投資の資金調達を担う銀行設立を検討している」と表明しており、民間資金を募る考えを示している。

ムニューチン氏は政界などでの公職経験はなく「どのような政策を目指すのかみえてこない」(日本の財務省幹部)。とりわけ各国が注視するのは為替政策だ。ゴールドマン出身のルービン氏、ポールソン氏は、ともに財務長官時代に「強いドルを望む」と主張してきた歴史がある。

ただ、「米国第一」を掲げるトランプ次期政権は保護主義的な思想が強いだけに、輸出競争力を損なうドル高を容認するとは考えにくい。トランプ氏の巨額減税やインフラ投資はインフレ圧力を強めてドル高を招きやすく、足元では既にドル相場が急騰している。次期財務長官の出方次第では、為替相場を巡って日本や中国などとの摩擦が強まる可能性もある。

新政権人事のうち、国務長官は混沌としている。ロムニー元マサチューセッツ州知事やジュリアーニ元ニューヨーク市長に加え、第3の候補、ペトレアス元米中央情報局(CIA)長官や共和党のコーカー上院外交委員長が浮上。国防長官にはマティス元中央軍司令官の名前が挙がっている。

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